水やりの少ない観葉植物おすすめ5選を紹介
観葉植物の中には、水やりをあまり必要とせず、管理の手間があまりかからない種類があります。ほかの植物と比べると生命力が強く、育て方も簡単なので、管理に不安をもつ初心者にもおすすめです。
また、日頃の水やりの頻度が少ないため、観葉植物のケアに時間を消費されることが少ないです。仕事や家事で忙しい方や、普段家を空けることが多い方にも最適です。
今回は、水やりの少ないおすすめの観葉植物を紹介します。さらに、水やりの回数を減らすための育て方のコツについても解説します。
花言葉 | 快活 勝利 |
---|---|
初心者向き | 初心者にも大変育てやすい植物です。 |
日当たり | 直射日光に弱いので注意 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 最低5℃程度は下回らないように。 |
注意点 | あまりに寒いところに置くと、葉っぱが落ちたり茶色になります。冬は室内管理がおすすめです。 |
建築・インテリア学科卒の元造園士。東京で建築の仕事をした後、カナダのトロントで造園士を経験。植物が大好き過ぎて、カナダの最東端にあるハリファックスの大自然で植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに観葉植物の魅力をお届けします。
目次
水やりが少なくて済む観葉植物の特徴5つ
そもそも水やりの少ない観葉植物とは、どんな特徴をもっているのか、疑問に思う方もいるでしょう。具体的には、以下5つの特徴をもった植物が、水切れを起こしにくく、枯れに強いです。
- 乾燥や暑さに強い植物
- 寒さに耐える植物
- 多肉質の葉・幹や球根をもつ植物
- 樹木タイプの植物
- 霧吹きで育つ植物
1. 乾燥や暑さに強い
観葉植物といわれる植物の中には、アフリカやオーストラリア大陸のサバンナ地帯や、ヨーロッパ大陸の地中海沿岸部に自生しているものがあります。年間の降水量が少なく、湿気がたまりやすい地域ではないため、極度に乾燥した大地でも育つ強さがあります。
また夏場はカラッとした天気で、比較的強い日差しが当たる場所でもあります。そのため暑さにも強く、株が干からびて枯れてしまうことが少ないです。
地中海に自生し、庭木として植えられることもあるオリーブや、ソテツ、シマトネリコなどは暑さや乾燥にとても強いです。
2. 寒さに強い
寒さに耐性がある植物は、冬の乾燥や寒波に強く、葉から水分が抜けにくい性質があります。冬に枝枯れや落葉することがあまりないため、水やりを1回忘れたぐらいでは枯れにくいでしょう。
基本的に多くの観葉植物は20℃以上の環境を好むため、10〜15℃の気温の時期や冬の間は、寒過ぎて生育障害を起こすこともあります。
夜気温が低くなる砂漠や乾燥した地域に生息する、サボテン類やトックリランなら寒さに耐性をもっているのでおすすめです。
3. 多肉質の葉・幹や球根を持つ
サボテンや多肉植物といわれる植物は、体内にたくさんの水分をたくわえています。水切れを起こしにくいため、水をあまり必要としません。反対に水を与え過ぎてしまうと、根腐れが起こりやすく枯れてしまいます。もし土が乾燥していても、ため込んだ水分を使って体全体に行き渡らせる機能を使うため、乾燥にはとても強いです。
種類や個体差によって違いますが、1ヶ月以上水やりをしなくても元気なものもいます。
トックリランのように幹が太くなる植物や、地中に大きな球根があるアマリリスなども水切れに強いです。
4. 樹木タイプである
基本的に植物は、草花よりも樹木の方が水分を多く持ち、生命力も強いため水切を起こしくい傾向があります。水やりの頻度をできるだけ減らしたいと思う方は、草花に分類される観葉植物よりも、茎が木質化する種類を選ぶのがおすすめです。
5. 霧吹きでも育つ
土を使わずに育てられるエアプランツは、鉢植えで育てる植物よりも管理の手間があまりかかりません。時期にもよりますが、1〜2週間ほど水を与えなくても育つのでおすすめです。
知っている方も多いと思いますが、基本的には霧吹き器で水を吹きかけて管理します。さらに、1週間に1回ほどのペースで水の入った容器に、数時間株を漬け込む作業(ソーキング)も行います。
しかし、メキシコやアメリカのサバンナ地域に自生する植物なので、ある程度の乾燥に耐える力があるようです。気温が高くなければ、ソーキングを毎週のように行う必要もありません。
水やりが少ないおすすめの観葉植物5選
「仕事や家事で、観葉植物のケアをしてあげる時間がない。でも、部屋に1鉢は置いてみたい」と思う方も少なくないでしょう。
ここからは水やりが少なくて育てられるおすすめの植物を紹介します。ぜひ迎え入れる植物選びの参考にしてください。
パキラ 定番植物の中でも水やりが少なく済む
花言葉 | 快活 勝利 |
---|---|
初心者向き | 初心者にも大変育てやすい植物です。 |
日当たり | 直射日光に弱いので注意 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 最低5℃程度は下回らないように。 |
注意点 | あまりに寒いところに置くと、葉っぱが落ちたり茶色になります。冬は室内管理がおすすめです。 |
まずお勧めしたいのがパキラです。根っこが短く、土を吸い上げる面積が小さいため、土の水分が乾きにくいです。そのため、水やり頻度も少なく済みます。
観葉植物の中でも特に人気があり、リビング等にインテリアとして飾る方がかなり多い印象です。
定番植物の中から水やり遺品度の少ないものを選びたいという方にはかなりおすすめできる植物なので、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
モンステラ 水分コントロールが優れている
花言葉 | 嬉しい便り、壮大な計画 |
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初心者向き | 初心者でも大変育てやすい植物です。 |
日当たり | 半日陰の室内でも飼育可 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 最低10℃程度 |
注意点 | 直射日光は葉焼けの原因になるため避ける。 |
続いても人気植物であるモンステラです。葉脈の先には水孔とよばれる水分を排出する機能を持ち、水分コントロールに優れています。
多少水やりを忘れてしまっても、自身の中にある水分で生きようと努力するため、すぐに枯れてしまうということが少ないです。
トロピカルな印象があり、インテリアとしてもぴったりの植物です。こちらもぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか。
サンセベリア 枯らすのが難しいと言われる植物
花言葉 | 永久、不滅 |
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初心者向き | 初心者でも大変育てやすい植物です |
日当たり | 直射日光にも、日陰にも強い植物です |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | やや弱い(10℃程度) |
注意点 | 水やりが少なく済むため、本当に水やりを忘れないように |
地面から縁に黄色い斑が入った剣のような葉が、空へ一直線に真っ直ぐ伸びるサンセベリア。英語圏ではその見た目から「Snake plant(スネークプラント)」と呼ばれますが、日本語では「トラノオ(虎の尾)」とも呼ばれます。
サンスベリア属は、熱帯アフリカやマダガスカルなどに自生する多肉植物です。観葉植物の中でも枯れにくく、「枯らすのが難しい」としばしばいわれることも。多肉質の葉にはたくさんの水分をたくわていて、環境によっては水やりを1か月ほど放置しても、枯れることがあまりありません。
直射日光が当たるような日当たりの良い場所ですくすくと育ちますが、日陰になる暗い場所でもOK。乾燥や寒さにも強く、氷点下5℃を下回れなければ防寒対策もしなくても大丈夫です。
ただし鉢の中が乾いたときは、たっぷりと水を与えたほうが、葉が美しく育ちます。
ソテツ 屋外飼育可能な、乾燥に強い植物
水やり頻度 | 月1回程度でも可。 |
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花言葉 | 雄々しい |
耐陰性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
ソテツは屋外飼育可能な植物で、乾燥や寒さに耐えられる、強い生命力を持った植物です。
とにかく乾燥や寒さ、暑さなど、人間にとっても植物にとっても厳しい環境に耐えられる強さを持っています。
水やり頻度は1ヶ月に1回程度で大丈夫で、屋外飼育なら雨の水だけでも十分育ちます。
ユッカ メキシコの乾燥大地で育つ強さ
水やり頻度 | 2週間〜1ヶ月に1回程度/td> |
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花言葉 | 偉大 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 普通 |
ユッカもソテツと同じく乾燥や暑さに強い植物です。もともとメキシコの乾燥環境に自生している植物のため、水やり頻度も少なく済みます。
力強いその姿はインテリアとしての存在感も抜群です。特に男性的なお部屋作りを目指されている方は、かなり相性のいい植物かと思います。
水やり頻度を少なくするためにできる工夫は?
ここからは、きちんと水やりができるか不安な方向けに、水やり頻度を少なくするためにできる工夫を紹介します。具体的には以下の通りです。
- 植木鉢は植物に適したサイズを選ぶ
- 保水性の高い土で育てる
- バークチップやヤシファイバーを鉢にかぶせる
- 家庭用温室の中で育てる
1. 植木鉢は植物に適切なサイズを選ぶ
観葉植物を育てる植木鉢は、植物にあった適切なサイズを選びましょう。鉢が小さ過ぎたり、大き過ぎたりすると根詰まりや根腐れの原因になり、株が枯れる場合も。
また、鉢が小さ過ぎるて根鉢も大きと、水を与えてもすぐに土が乾きやすく、水やりの頻度が多くなります。日頃の管理が大変になってしまうので、植え替えをするときは、根鉢よりも2回りほど大きい植木鉢を選びましょう。
2. 保水性の高い土で育てる
水はけが良過ぎて、すぐに乾きやすい土を使っていると水やりの回数が増えるため、日頃の植物のケアに時間が取られます。土は、腐葉土・ピートモス・黒土などを混ぜ合わせた、排水性・保水性の高いものがおすすめです。水が土の中に染み込み吸収するので、気温によって蒸発しにくいです。
土をしっかりと混ぜ合わせてから植え替えをしますが、乾きやすい場合はピートモスや黒土を足してあげると、保水性が良くなります。
3. バークチップやヤシファイバーを鉢にかぶせる
水やりの頻度をさらに減らしたい方は、土の表面にバークチップやココヤシファイバーを敷き詰めて、水分の蒸発を防ぐといいです。インテリア性が高く、ナチュラル感があるので、部屋やベランダがおしゃれに見えます。
ちなみに、石や赤玉土などの無機物でも良く、3〜5cmほど厚みになるように敷き詰めると、コバエの発生を抑制できます。
4. 家庭用温室の中で育てる
水やりをほぼ無くしたいという方は、室内などで使える小型の温室ハウスを使ってみましょう。常に一定の高温多湿な環境をつくれるため、熱帯で育つ観葉植物にとっても生育が良くなります。温室の中には加湿器をセットし、湿度の高い環境をつくることで、水やりは1ヶ月に1回ほどのペースで大丈夫です。
ただし、夏場は過剰な高温多湿になり、カビが発生する場合も。封を開けて、風通しを良くしてあげると清潔な状態が保てます。
水やりの少ない観葉植物の適切な育て方
一般的な植物と同じような育て方でも問題ありませんが、管理をもっと楽にできた方がケアに時間を取られず、植物のことももっと好きになりますよ。
ここでは、水やりの少ない観葉植物の育て方について以下5つを解説します。
- 真夏の直射日光には当てない
- 風通しの良い場所で管理する
- 水やりは一度にたっぷりと
- 2〜3年に1回のペースで植え替え
- 大きくなったら剪定をする
真夏の直射日光には当てない
観葉植物は、朝日が当たって、日中には明るい日陰となるような場所で育てるのベスト。日中の直射日光が当たるような場所では、葉焼けを起こしやすいです。特に真夏の猛暑日は気温が高く、太陽の光も強過ぎるため、かなりの頻度で葉焼けを起こしたり、水切れを起こして枯れたりします。
強い光にあまり耐性がない観葉植物を直射日光下に置く場合は、夏の間だけカーテンやブラインド、すだれなどで遮光しましょう。屋外では、木や庇の下、軒下で管理するといいです。
ただし、植物によっては強い光への耐性ができ、葉焼けを起こしにくくなる場合も。同じ品種の植物でも、日陰になる場所から直射日光が当たる場所へと徐々に移動させると、大きな陰葉型の葉は小さくなり、葉焼けを起こしにくい陽葉型の葉へと変化することもあります。
風通しの良い場所で管理する
植物にとって光・水は生きる上で大事なものですが、その次に必要となるものが風です。風が全くない場所では、植物は暑さによって乾燥し、大きなストレスとなります。さらに、アブラムシやハダニなどの害虫が付きやすく、被害にあう場合も。
空気が停滞することで暑さや湿気がこもり、病害虫が発生しやすくなるので、風が流れるような環境づくりが大切です。風が流れることで、気温が高くなり過ぎず、植物は水切れを起こしにくくなります。
窓やドアを開けて風の通り道をつくり、新鮮な空気が常に入るようにすることがポイントです。
水やりは一度にたっぷりと
植物の根は、酸素を吸って呼吸をしています。土が古くなると二酸化炭素がたまるため、植物の根は酸素不足に陥り、根腐れを起こして枯れる場合もあります。たまってしまった二酸化炭素が鉢の外に出るように、水やりは鉢底穴から水がこぼれるぐらいたっぷりと与えましょう。
また、一度の水やりでちょろちょろと与えると、鉢の中全体に水が行き渡らないため、根が水を吸い上げられません。長期的に続くと、水切れを起こして枯れてしまう場合も。土の中が乾いたらたっぷりと与えて、乾燥と湿潤にメリハリがつくように行いましょう。
2〜3年に1回のペースで植え替え
鉢植えで育てる観葉植物は、2〜3年に1回のペースで植え替えをします。植え替えをせずに放置すると、鉢の中で根が回り過ぎて、「根詰まり」を起こします。根鉢がパンパンに固くなると酸欠や生育不良を引き起こす場合も。
植え替えをするときは、根鉢よりも2周りほど大きいサイズの植木鉢を用意して、新しい土を入れてください。新しい有機物の土なら、生長を助けてくれる微生物が増え、植物はすくすくと育ちます。
大きくなったら剪定をする
観葉植物の背丈が高くなり過ぎたときや、枝葉がたくさん伸びて混み合っているときは、剪定(せんてい)をして、すっきりとしたコンパクトサイズに仕立てましょう。
枝葉が伸び過ぎているとスペースを無駄に取ったり、ぶつかって枝が折れたりすることもあります。また、株の内側の日当たりや風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなる場合も。
生長不良を起こして枯れないように、1〜3年に1回のペースで伸び過ぎた箇所や枝葉が混み合った箇所を剪定ばさみで切りましょう。
ただし、植物によって生長スピードが違うので、回数や頻度は生長にあわせて変えます。
まとめ
仕事や旅行で家をあけることが多かったり、植物のケアに心配な方におすすめの水やりの少ない観葉植物。植物の生態や自生する環境によって違いますが、水やりが少なくても枯れずに生長してくれます。そういった植物が生活の負担にならず、より観葉植物のある生活が楽しくなります。
また、自由な時間も取れるようになるので、ただ見た目やインテリアになじむからといって、好みのものを選ぶのは、できるだけ控えたほうがいいかもしれません。自分のライフスタイルに合わせた選び方が大切です。
さらに、植物の環境作りや理方法によっても、水やりの頻度は大きく変わります。観葉植物のケアに時間をあまり取られたくない方は、できるだけ最適な環境づくりを心がけるといいです。
ぜひ水やりの少ない観葉植物を選んで、部屋やベランダ、庭をおしゃれにコーディネートしてみてください。
花言葉 | 快活 勝利 |
---|---|
初心者向き | 初心者にも大変育てやすい植物です。 |
日当たり | 直射日光に弱いので注意 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 最低5℃程度は下回らないように。 |
注意点 | あまりに寒いところに置くと、葉っぱが落ちたり茶色になります。冬は室内管理がおすすめです。 |
水やりの少ない観葉植物に関するよくある質問
観葉植物の種類や品種、さらには鉢の大きさ(土の量)や土の素材によって、1ヶ月水やりをしなくても枯れない観葉植物は多くあります。今回した紹介した植物は、特に水切れで枯れにくくておすすめです。まずは、根鉢がパンパンになっていないかなど、土の状態を確認してから、1ヶ月放置を試してみるといいかもしれません。
基本的に、庭など地面に植え付けた植物は、土の中の水分と雨の水だけで育ちます。しかし、近年温暖化によって、夏場は35℃を超える猛暑日が続きます。夏の間は、できるだけ朝のうちに水やりをして管理しましょう。
水やりがなくても育つ下草は、夏の時期を観察した中では、ヒューケラ・キキョウ・ラベンダー(低木)などがよく耐えていたと思います。
比較的、毎日水が必要な植物はいないと思います。一度吸い上げた水分は、強い直射日光が当たらない限り、蒸発し過ぎることがあまりないからです。また、土の状態が良ければ水を土の中にため込むことができ、体内の水分が減れば、植物はいつでも吸い上げられます。
建築・インテリア学科卒の元造園士。東京で建築の仕事をした後、カナダのトロントで造園士を経験。植物が大好き過ぎて、カナダの最東端にあるハリファックスの大自然で植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに観葉植物の魅力をお届けします。