肉厚で丸い葉が出る観葉植物は?初心者におすすめの種類とインテリアのコツ
肉厚で丸い葉がの観葉植物。定番どころで言えば、例えばペペロミアなどでしょうか。どれも可愛さあふれる魅力があり、どんなテイストのインテリアにも馴染みやすいです。
さらに多肉植物や樹木のように大きくなる植物など種類も多く、好みのものが選びやすい魅力もあります。
今回は、初心者でも育てやすい、肉厚で丸い葉が出る観葉植物の種類とインテリアコーディネートのコツを紹介。さらに、枯らさないための育て方についても詳しく解説8します。
建築・インテリア学科卒の元造園士。東京で建築の仕事をした後、カナダのトロントで造園士を経験。植物が大好き過ぎて、カナダの最東端にあるハリファックスの大自然で植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに観葉植物の魅力をお届けします。
目次
肉厚で丸い葉が出る観葉植物15選
さっそく初心者でも育てやすくて、さまざまな部屋のインテリアになじむ肉厚で丸い葉が出る観葉植物を見ていきましょう。
ここでは、「丸い葉の多肉植物」「大きな丸い葉の観葉植物」「つる状の肉厚で丸い葉の観葉植物」「木になる肉厚で丸い葉の観葉植物」の4つ別々にそれぞれを紹介します。インテリアのテイストにあわせながら、好みのものを選ぶといいです。
大きな丸い葉が出る観葉植物3選
まずは大きな丸い葉の観葉植物を3つ紹介します。
- ピレア・ぺぺロミオイデス/Pilea peperomioides
- スイカペペロミア/Peperomia argyreia
- ユーカリ・ポポラス/Eucalyptus polyanthemos
ピレア・ぺぺロミオイデス/Pilea peperomioides
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月3〜4回 夏:月4〜5回 冬:月1〜2回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 枯れ葉づみをする、茎が長い場合は切り詰める |
地面から真っ直ぐと立ち上がった茎から、アーチを描くように真ん丸の大きな葉がで出るピレア・ペペロミオイデス。株が小さいうちは、かわいさあふれる観葉植物ですが、大きくなったときは存在感があり、樹木のようなたくましさも感じます。ナチュラルな雰囲気があり、北欧インテリアなどのテイストの部屋によくなじみます。
中国南部の山部に自生するピレア・ぺぺロミオイデスは、日陰の湿った岩の上などに生え、涼しい多湿な環境で育ちます。野生のものは、現在絶滅危惧種に分類されているほど個体数を減らし、珍しい植物といわれることも。観葉植物として増やされた園芸種は、生命力が強く枯れにくい性質があります。
ただし、直射日光が当たって乾燥するような場所では、葉焼けを起こしたり落葉したりする場合も。朝日が当たって、昼には日陰となる半日陰で管理すると、葉の色味が美しいピレア・ぺぺロミオイデスを観賞できます。
スイカペペロミア/Peperomia argyreia
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月2〜3回 夏:月3〜4回 冬:月1〜2回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 枯れ葉づみをする程度、株分け |
厚みのある丸い葉にスイカのような模様が入るスイカペペロミア。個性的でおもしろい葉がポップで明るい雰囲気があり、印象的な部屋づくりにおすすめの観葉植物です。株が大きくなるほどたくさんの葉を出し、こんもりとした姿になるので、部屋のおしゃれなインテリアアイテムにもなります。
ブラジルなどアメリカ熱帯雨林気候に生息するスイカぺぺロミアは、明るい日陰で元気に育ちます。直射日光が当たらないようにカーテンやブランイドで遮光し、暖かい場所で管理するのが最適です。
また、多肉質な葉と茎にたくさんの水分を含んでいるので、ある程度の乾燥に強く、水やりは週に1回程度でも大丈夫です。湿った場所が好きなので、排水性と保水性のある土を使うといいです。
茎が折れてしまっても、挿し芽で簡単に増やすことができ、水を張った容器に入れておくと1週間後には根が出ます。
ユーカリ・ポポラス/Eucalyptus polyanthemos
USDA zone | 7a(-17.8〜-15℃までなら耐えられる) |
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耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月2〜3回 夏:月3〜4回 冬:月1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 2〜3年に1回(庭木:年に1回) |
地面から白味を帯びた茶色い幹が真っ直ぐと立ち上がり、軽やかに伸びた枝先に厚みのある丸い銀葉が展開するユーカリ・ポポラス。風が吹くと、銀葉が風鈴のようにゆらゆらと揺れ、涼しげな雰囲気をただよわせます。丸い葉は、手で触ると爽やかですっきりとした香りを放ちます。
オーストラリア東部に広く分布するユーカリ・ポポラスは、暑さや寒さに強い樹木です。気温が氷点下15℃ぐらいまでなら耐えることができ、屋外でも管理できます。
ただし、激しい気温の変化・霜が当たる・高温多湿な環境だと、株がストレスを受けてしまい枯れる場合も。できるだけ、気温が10℃以上に設定し、日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。
丸い葉の多肉植物4選
次に、丸い葉の多肉植物を4つ紹介します。
- カランコエ・デザートローズ/Kalanchoe luciae
- ミセバヤ/Hylotelephium sieboldii
- クラッスラ・ロチエ(呂千絵)/Crassula ‘Morgan’s Beauty’
- ポーチュラカリア/Portulacaria
カランコエ・デザートローズ/Kalanchoe luciae
USDA zone | 9a(−6.7〜3.9℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月1〜2回 夏:月2〜3回 冬:月0〜1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 花がらづみ、株分け程度 |
厚みのあるコインのようなの葉が幾重にも重なり、秋には緑から赤紫に紅葉するカランコエ・デザートローズ。時期を迎えると黄色やオレンジ色の小さな花を咲かせ、温かみのある雰囲気をつくります。花付きも良く開花期間も長いので、部屋を華やかに彩ります。
カランコエ・デザートローズは、南アフリカ、レソト、ボツワナ、エスワニティニなどの国々に自生する常緑性の多年草。無数の二枚貝が集まったように見える厚みのある丸い葉が、ユニークで個性を感じます。
1年を通して土は乾燥気味で育てるのが良く、水やりの頻度が少なくて管理がしやすいです。土が乾燥して2日ほど経ったら、たっぷりと水やりをしましょう。
また、カランコエ・デザートローズをはじめとする、カランコエ属は、日が短くなると花芽を付けるようになる「短日植物」です。1月ごろから開花時期を迎えるので、秋が過ぎるころには、日があまり当たらない日陰になるような場所へ移動させます。
ただし、寒過ぎると枯れてしまうので、冬の間は室内で冬越しをさせるといいです。
USDA Plant Hardiness Zoneとは?
United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。米国農務省が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone
ミセバヤ/Hylotelephium sieboldii
USDA zone | 3a(−40.〜37.2℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月1〜2回 夏:月1〜2回 冬:月0〜1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 花がらづみ、株分け程度、地上部の枯れた株の除去 |
「大切なあなた」の花言葉をもつミセバヤは、日本に自生する宿根草(しゅっこんそう)の多肉植物。中心から厚みのある丸い葉が、数珠繋ぎのように放物線を描きながら長く伸びます。秋には茎の先端にピンクの花が咲いた後、葉が真っ赤に紅葉します。
日本に自生するミセバヤは、園芸において古くから親しまれ、古典園芸植物の1つです。現在は、香川県・富山県・奈良県・群馬県の一部の山部にしか見られず、野生のものは絶滅危惧種に指定されています。
河川上部の山部に自生しているものが多いミセバヤ。水はけの良い土を好み、日当たりと風通しを良くすれば暑さや寒さで枯れることも少ないです。また、丈夫な性質なので室内でも屋外でも育てやすく、湿気がこもらなければ場所を選びません。
ちなみに落葉性の多年草なので、屋外で育てると地上部を枯らし、春にもう一度芽吹きます。
クラッスラ・ロチエ(呂千絵)/Crassula ‘Morgan’s Beauty’
USDA zone | 9b(−3.9〜1.1℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや弱い |
水やり | 春・秋:月1〜3回 夏:月1回 冬:月0〜1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 花がらづみをする程度 |
分厚い丸みの葉が岩畳のように段々と重なり、春には頂点に小さなピンクの花がドーム状に集まって咲くクラッスラ・ロチエ。四方八方へと伸びる茎と葉がユニークで、株が生長すると存在感も大きくなります。
園芸品種であるクラッスラ・ロチエは、高温多湿な環境を苦手とする多肉植物です。日当たりと風通しが良くて、涼しい環境となる場所で元気よく育ちます。多湿な環境が続くと根腐れを起こして株が枯れることも。梅雨の時期は直射日光を避け、半日陰になる場所に移動させるといいです。
また、暖かくなる4月ごろから生長期を迎えるので、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。ただし、夏の時期は根腐れが起こらないように水やりを控え、乾燥した状態をつくりましょう。
ポーチュラカリア/Portulacaria
USDA zone | 9b(−3.9〜1.1℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月1〜2回 夏:月2〜3回 冬:月0〜1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 枯れ葉取り |
地面から立ち上がるように茶色の茎が伸び、対になって多肉質な丸い葉が展開するポーチュラカリア。生長スピードは遅いですが、茎がつるのように長く伸び、草丈が1mを越えることもあります。種類によっては木質化するものもあり、日本では「雅楽の舞(ががかくのまい)」と「銀杏木(ぎんなんぼく)」という園芸品が出回り、盆栽のように仕立てられることも。
南アフリカの東部を中心に広く自生するポーチュラカリアは、乾燥した岩の隙間などに生え、水はけの良い場所を好みます。湿った環境でも育つこともありますが、根腐れを起こしやすいです。鉢植えで育てる場合は、排水性と通気性の良い土を用意し、日当たりと風通しの良い場所で管理します。
また、春から秋の間は、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)のバランスの取れた緩効性化成肥料を与えましょう。生長の流れに勢いがつき、健康的な株に育ちます。
つる状の肉厚で丸い葉が出る観葉植物6選
つる状の肉厚で丸い葉の植物は多くあります。ここでは初心者でも育てやすいおすすめの観葉植物を6つ紹介します。
- ピレア・グラウコフィラ/Pilea glaucophylla
- ペペロミア・タートル/Peperomia prostrata
- ペペロミア・ロツンディフォリア/Peperomia rotundifolia
- ディスキディア・ヌンムラリア/Dischidia nummularia
- ホヤ・ブレビアラータ/Hoya brevialata
- ステファニア・ピエレイ/Stephania pierrei
ピレア・グラウコフィラ/Pilea glaucophylla
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月3〜4回 夏:月4〜5回 冬:月1〜2回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 株分け |
長く伸びた赤いつるから無数の小さな銀葉が展開し、地面を覆いつくすこともあるピレア・グラウコフィラ。暖かい地域なら、庭のグラウンドカバーとして使われることもあり、観葉植物としてだけでない魅力がたっぷりな植物です。鉢植えなら、鉢からあふれ出るようにつるが伸びるので、ハンギングで飾ってより近くで美しい銀葉を楽しむことができます。
ピレア・グラウコフィラは、あまり詳しく原産地がわかっていないですが、コロンビアやブラジルの熱帯雨林に生息すると考えられています。そのため、多湿で明るい日陰で元気よく生長し、つるが長く伸びるでしょう。ほかの植物と比べると生長スピードがゆっくりなので、日陰過ぎない場所で管理することが大切です。
ペペロミア・タートル/Peperomia prostrata
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月3〜4回 夏:月4〜5回 冬:月1〜2回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 株分け |
「かわいらしさ」「艶やかさ」「片想い」などの花言葉をもつペペロミア・タートルは、長く伸びたつるからカメの甲羅のような丸い葉がたくさん出る観葉植物。硬くて厚みのある葉は緑鮮やかで、光に反射すると輝くような美しさがあります。時期を迎えると、葉の付け根から円筒状の緑の花を、立ち上がるように咲かせます。
エクアドルの固有種であるペペロミア・タートルは、高温多湿な場所でつるが良く伸び、株を大きくさせます。葉は無毒でペットや小さなお子さんがいる家庭でも育てやすいです。また、ホルムアルデヒドなどの汚染物質を除去する性質があるといわれることも。室内の環境植物として育てれば、インテリア的にも環境的にもいいかもしれません。
熱帯雨林に生息するペペロミア・タートルは、強い直射日光が当たると葉焼けを起こしやすく、株が枯れてしまうことも。レースカーテンで遮光した、明るい日陰に置き、風通しも良くして管理しましょう。
ペペロミア・ロツンディフォリア/Peperomia rotundifolia
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月3〜4回 夏:月4〜5回 冬:月1〜2回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 株分け |
ボタンのような分厚くて硬い緑の葉が、絡み合うように長く伸びて大きくなるペペロミア・ロツンディフォリア。ハンギングで室内に飾ることもできますが、テラリウムのように透明な容器の中で育てて、部屋のインテリアとして飾ることもできます。
北アメリカから南アメリカの熱帯雨林に自生するペペロミア・ロツンディフォリア。多湿な場所を好み、木や倒木した木の上、岩の荒れ目などに生え、地面を覆いかぶすほど生育が旺盛です。比較的湿った土で育ちやすいので、保水性のある土を使うのがベストです。
ただし、硬くて水はけが悪い土では根腐れを起こしてしまうことも。腐葉土・赤玉土・ピートモスをよく混ぜた土を使って、排水性・保水性をを良くしましょう。
ディスキディア・ヌンムラリア/Dischidia nummularia
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月3〜4回 夏:月4〜5回 冬:月1〜2回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 株分け |
つるから真っ平らな丸い黄緑の葉が、対になって展開するディスキディア・ヌンムラリア。豆粒サイズの小さな多肉質の葉がかわいらしく、愛おしさを感じます。時期を迎えると、葉の付け根から小さな白い花を咲かせる魅力もあります。品種によってはレンズのような葉に灰色みがかった白い色の斑が入るものもあり、レアな観葉植物といわれることも。
インドネシアやラオスなど、東南アジアを中心に広く自生するディスキディア・ヌンムラリアは、木の上に生える着生植物です。そのため、土がなくても育てることができ、ミズゴケやピートモスを使った土で育てるのがおすすめです。
湿った場所が大好きなので、できるだけ毎日葉水を行って、株を乾かさないように管理しましょう。
ホヤ・ブレビアラータ/Hoya brevialata
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや強い |
水やり | 春・秋:月2〜3回 夏:月3〜4回 冬:月1〜2回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 2〜4年に1回(株分け) |
しゅっと細いつるが四方八方へと長く伸び、ぷにぷにとしたやわらかい多肉質な丸みのある楕円形の葉が互い違いに展開するホヤ・ブレビアラータ。夏ごろには、小さなサクラのような花が集まって、こんもりとしたドーム状に咲き、上品な甘さのある香りを楽しめます。
タイやラオスなど、東南アジアに自生するホヤ・ブレビアラータは、直射日光が当たらない半日陰になる多湿な場所で育てるのがベスト。直射日光が当たってしまうと、鉢の中が高温多湿になり、根腐れを起こして枯れてしまうこともあります。
ただし、暗過ぎる場所では花が咲きにくくなるので、午前中に光が当たって、午後は日陰となるような日当たりの良い場所に置くといいです。
ステファニア・ピエレイ/Stephania pierrei
USDA zone | 10a(−1.1〜1.7℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月1回 夏:月1〜2回 冬:月0〜1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 花がらづみをする程度 |
ジャガイモのような見た目をした大きな茎からつるが伸びて、まんまるの緑の葉が展開するステファニア・ピエレイ。素朴でユニークな姿をしていますが、キュートさも感じる塊根植物です。
小さな小鉢に入れて育てると上品な趣があり、インテリアにも磨きがかかります。個体によって丸い茎の形や大きさが違うので、好みの種類を選んで育てると、より愛着を持って育てられます。ちなみにステファニアとは、ギリシア語で「王冠」を意味します。
ベトナムなどに自生するステファニア・ピエレイは、春に芽を出し、つるを伸ばした後、黄色い小さな花を咲かせます。寒いと冬に落葉して休眠期に入ります。また、大きくなると草丈が8mほどになることもあります。
比較的、日当たりと風通しが良い場所で元気よく育ちますが、真夏の直射日光に長時間当たってしまうと葉焼けを起こす場合も。春と秋の間は日差しの当たる場所に置き、夏場はカーテンやブランドで遮光しましょう。
茎にたくさんの水分を含んでいるステファニア・ピエレイは、水切れを起こしにくいので、春と秋は1〜2ヶ月に1回のペースで水を与えるだけでも大丈夫です。
木になる肉厚で丸い葉の観葉植物2選
最後に、木になる肉厚で丸い葉の観葉植物を2つ紹介します。
- カネノナルキ/Crassula ovata
- クラッスラ・アルボレッセンス/Crassula arborescens
カネノナルキ/Crassula ovata
USDA zone | 9b(−3.9〜1.1℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月1〜2回 夏:月2〜3回 冬:月0〜1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 大きくなり過ぎたときに、枝を切り戻しする |
冬になると、黒茶色のなめらかな枝葉の先端に、星のような形をしたピンクの小さな花をドーム状に咲かせるカネノナルキ。多肉質な楕円形(だえんけい)の葉の縁が赤く、無数のチョウが羽ばたくように展開します。株が小さいうちは草花ですが、大きくなると茎が木質化し、樹高が3mほどになる樹木になります。
ぷっくりと膨らんだ濃緑の葉が魅力的なカネノナルキは、南アフリカに自生する常緑性低木の多肉植物です。成金草や花月の別名をもち、縁起の良い植物として親しまれています。11〜2月ごろにかけて咲く花は、爽やかな甘い香りがあり、観賞だけではない楽しみがあります。
葉にたくさんの水分を含み、暑さと乾燥にとても強いカネノナルキは水切れを起こしにくく、初心者でも枯らしにくい観葉植物です。水分が不足すると葉にしわがより始めるので、水をたっぷりと与えて乾燥気味に育てましょう。
クラッスラ・アルボレッセンス/Crassula arborescens
USDA zone | 9b(−3.9〜1.1℃程度まで耐えられる) |
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耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
水やり | 春・秋:月1〜2回 夏:月2〜3回 冬:月0〜1回 |
肥料 | N:P:K=10:10:10 |
剪定 | 大きくなり過ぎたときに、枝を切り戻しする |
地面からなめらかな曲線を描くように茶色の幹が伸び、多肉質な青みがかった翡翠(ひすい)色の葉を出すクラッスラ・アルボレッセンス。カネノナルキの近い品種で、葉の縁が赤く、葉と幹の色のコントラストが美しい植物です。英語圏では「シルバーダラープラント(Silver dollar plant )」と呼ばれ、レアな観葉植物として人気です。夏には枝葉の先端に白やピンクの小さな花を咲かせ、より色の美しい姿へと変化します。
南アフリカの西ケープ州のみに自生するクラッスラ・アルボレッセンスは、多湿な環境が苦手で、乾燥した場所を好みます。水はけの良い土で育てるのが良く、過剰な水やりを控えて、高温多湿な状態にならないように管理するのがポイント。
また、陽の光がたっぷりと当たるような場所で育てると花付きが良くなり、夏に満開の花を観賞できます。
肉厚で丸い葉が出る観葉植物|飾り方のコツ
三角形を意識して飾る
リビングなど広々とした部屋は、3つの点を結ぶと「三角形」になるように複数の肉厚の丸い葉が出る観葉植物を配置するといいです。ただし、意味もなく置くのではなく、導線を考慮したゾーニング計画が大事です。
例えば、肉厚の丸い葉がでる観葉植物を部屋の角隅と、中央部の空いた箇所に配置して三角構造をつくることで、空間に奥行きと立体感をつくれます。
部屋に散りばめるように観葉植物を配置したり、面に対して一列になるように並べたりすると、ごちゃごちゃとした見た目になる場合も。部屋の空間もフラットになり狭く見えることもあります。
庭づくりにおけるゾーニング計画でも、「三角形」や「立体三角形」を意識した導線づくりや植栽計画が大切です。家の窓から見たときに、庭が立体的で広く見えるように工夫をします。それは部屋のインテリアでも同じことといえます。
奇数に数になるようにまとめて飾る
5鉢以上など複数の肉厚の丸い葉が出る観葉植物を置く場合は、いくつかまとめて飾るとすっきりと見え、動きのある空間を演出できます。
観葉植物の鉢のサイズが大中小となるように1箇所にまとめて飾ります。植物の高さを均一に統一してしまうと視点がぼやけ、空間に立体感がなくなる場合も。部屋がフラットに見えてしまい、味気のない退屈な部屋にみえてしまうこともあります。
また多肉植物や観葉植物を1グループでまとめるときは、3つ・5つとなるように奇数でまとめると、立体三角形の形がつくれ、好感度のもてる部屋が演出できますよ。
つるが伸びる観葉植物は上から下へ垂らす
植物の緑には目の疲れや精神的なストレスを軽減し、心をリラックスさせる癒し効果があるとされています。これには「緑視率」といわれる、自分の視界に入るグリーン(植物)の比率が関係しています。
グリーン効果が最も高い緑視率は10〜15%とされ、植物に対する精神的な拒絶反応がなく、仕事のコストパフォーマンスにも繋がると科学で証明されています。
3〜5鉢の観葉植物を使って緑視率を効率良く稼ぐなら、つるがよく伸び、肉厚の丸い葉がたくさん出て大きく見えるディスキディア・ヌンムラリアやホヤ・ブレビアラータなどの植物を、高い位置から垂らして飾るようにしましょう。つるの数が多ければ1つの鉢だけで、緑視率は5〜10%近い数値まで稼ぐことができます。
植物をデスクの棚に置いたり、パーテーションや壁などからハンギングで飾ったりして、グリーンの割合を増やしてみましょう。
肉厚で丸い葉が出る観葉植物の育て方|基本的なこと
ぷっくりと膨らんだものから、厚みのある硬いものまでとある、肉厚で丸い葉が出る観葉植物。ケアの仕方を間違えてしまうと、突然葉が枯れてしまったり、落ちてしまったりすることもあります。枯らさないための基本的な観葉植物の育て方を知っておきましょう。
ここでは、肉厚で丸い葉が出る観葉植物の育て方のポイントを5つ紹介します。
- 種類によって日当たりを調節する
- 風通しを良くする
- できるだけ毎日葉水をする
- メリハリのある水やりをする
- 2〜3年に1回のペースで植え替えと剪定をする
Point1. 種類によって日当たりを調節する
室内で育てる肉厚で丸い葉が出る観葉植物には、直射日光を好むものと、そうでないものの2つがあります。
例えば、サバンナや砂漠地帯など乾燥した場所に生息する多肉植物は、直射日光の当たる場所で育ちます。しかし、それ以外の植物は、半日陰から日陰で育つものが多く、直射日光が苦手なものも。
観葉植物を置く場合は、種類にあわせて日当たりを調節し、適切な場所に置きましょう。ただし、多肉植物でも真夏の猛暑日は気温が高く、太陽の光も強過ぎるため、葉焼けや水切れを起こす場合も。直射日光下に置く場合は、カーテン、ブラインド、すだれなどで夏場は遮光します。
基本的に多くの植物は、1年を通して直射日光が当たる場所で育てると、強い光への耐性ができ、葉焼けを起こしにくくなります。同じ品種の植物でも、日陰になる場所から直射日光が当たる場所へと徐々に移動させると、大きな陰葉型の葉は小さくなり、葉焼けを起こしにくい陽葉型の葉へと変化することもあります。
Point2. 風通しを良くする
暑くて乾燥した場所に生息していることが多い肉厚で丸い葉が出る観葉植物。自然界では風が吹くことから、極端な乾燥と高温にも耐えられ、葉焼けや水切れを起こしにくくなっています。
できるだけ、窓やドアを開けて風通しを良くしましょう。風が吹かない場所では、体温調節が難しい植物にとっては、大きなストレスを受けたりすることもあります。さらに、アブラムシやハダニなどの害虫が付く場合も。
空気の流れが悪くなることで暑さや湿気がこもりやすく、病害虫が発生するので、風が流れるような環境づくりを心がけましょう。風が流れることで、気温が高くなり過ぎず、植物は直射日光が当たる場所でも葉焼けを起こしにくいです。
Point3. できるだけ毎日葉水をする
屋内で肉厚で丸い葉が出る観葉植物の一部には、葉水を定期的に行った方が良いものがあります。多湿な環境を好む、ピレア・ぺぺロミオイデスや、スイカペペロミアなどは、極端に乾燥した環境が苦手で、長期的に続くと葉が枯れることもあります。
できるだけ、毎日植物の活動が活発な朝の時間帯に葉水を行い、多湿な環境をつくりましょう。葉の表面に付いたチリやホコリ、さらにはハダニなどの害虫を取り除くことができます。
光合成もしやすくなるので、植物はより健康的に育ちやすくもなります。
Point4. メリハリのある水やりをする
観葉植物の水やりは、一度にたっぷりと与えて、土の中をよく乾かしてから再度与えましょう。土が乾いている状態と、湿っている状態を交互に繰り返すように管理してください。
また、鉢底穴から水が出るぐらいたっぷりと与えることで、中にたまっていた二酸化炭素を押し出せ、新鮮な酸素を取り込めます。呼吸をしている植物の根は酸欠になりにくくなり、根腐れを起こすことも少なくなります。
ただし、水をちょろちょろと何度も与えると土が乾きにくく、根腐れを起こしてしまう場合もあるので注意しましょう。
ちなみに、昼を過ぎた日中に水やりをすることは、園芸ではやってはいけないことの1つとされています。特に夏場の日中に水やりをしてしまうと、鉢の中に残った水がお湯に変わり、根を痛めて枯れてしまうこともあります。できるだけ、朝の時間帯に水をたっぷりと与えて、根腐れが起きないようにしてください。
Point5. 2〜3年に1回のペースで植え替えと剪定をする
鉢植えで育てる肉厚で丸い葉が出る観葉植物は、基本的に2〜3年に1回のペースで植え替え・剪定、または摘芯を行います。
鉢の中を2年以上放置したままだと、根が回りきって根詰まりを起こし、窒息して枯れてしまうこともあります。また土が古くなると、栄養のバランスが悪くなるので、生育不良を起こす場合も。鉢から根が出ているときや、水が土に染み込みにくくなったときにも植え替えをしましょう。
剪定や摘芯は、植物の生長をコントロールするのと環境を良くするために行うものです。枝葉がたくさん伸びて大きくなり過ぎたときや、株の内側に光や風が当たりにくくなったときにも行いましょう。
まとめ
肉厚で丸い葉が出る観葉植物は、たくさんあり好みのものが選べるかもしれません。葉が長く伸びるものや、つる状に伸びるもの、さらには花が咲く種類もあり、部屋のテイストにあわせて選ぶと、より愛情を込めて世話をすることもできます。
肉厚で丸い葉がでる観葉植物を部屋に置くときは、植物の基本的な育て方やケアを知ってからレイアウトすると、枯れずに長く観賞できます。
肉厚で丸い葉が出る観葉植物に関するよくある質問
肉厚で丸い葉が出る木は少なく、今回紹介したカネノナルキ、クラッスラ・アルボレッセンス、ユーカリ・ポポラスが該当します。ほかに1つ例をあげると、「パンダガジュマル」という観葉植物も、厚みのある丸い葉を出し、該当するかもしれません。
風水において、丸い葉を出す観葉植物は「調和の気」を司り、リラックス効果が高いといわれています。寝室やリビングルームに置くと、より効果を実感しやすく、気の流れが良い家になるかもしれません。
建築・インテリア学科卒の元造園士。東京で建築の仕事をした後、カナダのトロントで造園士を経験。植物が大好き過ぎて、カナダの最東端にあるハリファックスの大自然で植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに観葉植物の魅力をお届けします。