直射日光に強い観葉植物は?屋外やベランダでも育てやすい種類と管理のコツについて

直射日光がよく当たる場所では、日陰を好む観葉植物は葉焼けや水切れを起こしやすく、枯れてしまう場合があります。例えば熱帯のジャングルに生息するようなモンステラやパキラは、強い光を受けるとすぐに葉焼けしてしまうことも多いです。

直射日光下で観葉植物を育てるときは、強い光に耐性があり、暑さ・乾燥に強い植物を選ぶ必要があります。さらに夏バテのような状態にならないように、置き場所や水やりの仕方にも注意し、適切な管理を行うことが大切です。

今回は、直射日光を好む観葉植物の種類を紹介します。さらに、枯らさないための育て方のコツと、直射日光が植物にもたらす効果と影響について解説します。

屋外用観葉植物の定番【オリーブの木】

花言葉 平和、知恵
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です。
日当たり 明るい屋外管理をお勧めします。
耐暑性 強い
耐寒性 最低0℃程度
注意点 室内で育てると徒長する場合があるため注意。

目次

直射日光は植物にとって害なのか?

植物にとって強すぎる直射日光は良くないものという認識をお持ちの方も多いかもしれません。まずはこの点について整理していきましょう。

強すぎる直射日光は「葉焼け」の原因になる

植物が生きる上で「光」は必要不可欠なもので、自ら栄養を生成して吸収する光合成に必要です。

しかし、光のエネルギーが強くて、光合成だけでは消費できなくなると、悪い物質である「活性酸素」が体内にたまってしまい、葉緑素(葉緑体)である「クロロフィル」を分解して死滅してしまいます。この状態を「葉焼け」と言いますが、一度葉焼けしてしまった葉っぱは二度と元に戻りません。

葉焼けした葉っぱは黄色や茶色、さらには白色に変色して枯れてしまいます。特に日本の真夏の直射日光は、植物にとって大きなストレスになりやすく、生長不良の原因になりやすいので注意が必要です。

国産の観葉植物は農家さんが屋内で栽培していることが多いので、強い光に慣れていないものが多く、これらは直射日光に弱い傾向にあります。厳密には直射日光を好む観葉植物は少ないかもしれません。

日差しが当たる環境に慣れれば葉焼けしない葉っぱが生えてくることも

前述したように植物には環境に慣れようとする特性があります。日差しに当たる環境下で育った植物は、徐々に葉焼けしない葉っぱをつけていくこともあります。

現に、道端の植物は葉焼けしていないことにお気づきでしょうか。これは日光をたくさん浴びても耐えられる葉っぱを自ら生やしているからです。

逆に、光が少ない環境で育った植物は、少ない光量を目一杯取り込もうとするので、薄く大きな葉っぱをつける傾向にあります。こうした葉っぱは、少ない光の量に適応してできた葉っぱのため、急に強い日差しが当たると許容量を超えることから、葉焼けを引き起こしやすいです。

要は、植物がどんな環境で育ち、どのように適応してきたかによっても、日光への耐性が変わってくるということです。

直射日光を好む観葉植物の特徴は?

もし直射日光の当たる環境下でも大丈夫な植物を購入しようとしている場合は、以下の特徴を押さえておくと植物選びの参考になるかと思います。

具体的には以下3つの特徴をもった観葉植物が、直射日光が当たる場所でも育てやすく、枯れにくくておすすめです。

  • 陽葉型(ようようがた)の植物
  • 暑さに耐える植物
  • 乾燥を好む植物

1. 陽葉型(ようようがた)の植物

観葉植物の中には、強い光のもとで育ち日光に耐性がある「陽葉型(ようようがた)」と、弱い光のもとで育ち日陰に耐性がある「陰葉型(いんようがた)」の2つのタイプがあります。

陽葉型の観葉植物は、葉の表面のワックスである「クチクラ層」や、その下の葉の肉体となる「表面組織」・「柵状組織」が陰葉型よりも発達しているため、直射日光に強いです。

さらに、光合成をする能力が高く、活性酸素を体内に発生させにくいため、葉焼けを起こしにくいです。

また、陽葉型か陰葉型は、植物の自生地にもよりますが、育てる場所によってどちらかの葉に変異する場合もあるようです。強い日光にある程度強いゴムの木は、徐々に光に慣れさせることで、直射日光にも強くなるかもしれません。

ただし、真夏の直射日光はとても危険なので、猛暑日は日陰になる場所で育てましょう。

2. 暑さに耐える植物

植物の細胞は、基本的に高温に弱く、耐えられる限界の温度があります。限界の温度を超えてしまうと細胞が弱くなり、長時間続くと死滅する場合もあります。

観葉植物が高温の環境下で直射日光にさらされると、葉の細胞の温度が急上昇し、限界の温度を超えて弱くなるため、葉焼けを起こしやすくなります。

できるだけ、真夏の暑さにも耐えられる植物を選ぶことがポイントです。日本に自生し、庭木として植えられることもあるシマトネリコや、オーストラリアの乾燥地域に自生するコルジリネ(品種による)などが、暑さにとても強いです。

3. 乾燥を好む植物

強い日光が当たる環境では、葉から水分が抜けやすく、植物の蒸散運動も過剰に行われるため水切れを起こしやすいです。水切れの状態が長く続くと、植物は茶色く変色し枯れる場合もあります。

直射日光が当たる場所で観葉植物を育てる場合は、乾燥した環境を好む種類を選ぶのがおすすめ。地面がカラカラに乾いた土地でも枯れることがあまりなく、直射日光に当たっても葉焼けを起こしにくいです。

アフリカ、アメリカ、オーストラリアのサバンナ地帯に自生するサボテンや多肉植物。地中海沿岸部に自生するオリーブやローズマリーなどが、乾燥にとても強い植物です。

直射日光を好むおすすめの観葉植物10選

ここでは、直射日光を好むおすすめの観葉植物を、「屋外」と「屋内」の2つに分けて11種類紹介します。

【屋外向け】直射日光を好むおすすめの観葉植物6選

まずは屋外向けの直射日光を好むおすすめの観葉植物を5つ紹介します。

  • オリーブの木
  • ユーカリ・ポポラス
  • シマトネリコ
  • ソテツ
  • コルジリネ・オーストラリス・レッドスター
  • トックリラン(ノリナ)

室内の観葉植物として鉢植えで育てることができますが、植物と地域によっては庭に「地植え」で育てることもできます。比較的寒さに強く、生命力もあるため屋外で冬越しもできます。

オリーブの木|屋外管理の定番人気植物

花言葉 平和、知恵
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です。
日当たり 明るい屋外管理をお勧めします。
耐暑性 強い
耐寒性 最低0℃程度
注意点 室内で育てると徒長する場合があるため注意。

まずお勧めするのが、屋外管理の定番「オリーブの木」です。ショップや商業施設などの店先に飾られていることも多く、西洋の雰囲気を楽しめることから、大変人気の植物です。

葉っぱは厚めで、屋内環境に慣れた個体でなければ葉焼けは滅多に起こりません。また、小さめの葉っぱであることから茂りがあるのも特徴で、風が吹くと「サワサワ」と心地いい音を奏でてくれます。

色合いも程よくマットであり、どんな風景にも馴染みやすい(合わせやすい)という特徴もあります。洋風な家であれば、お庭に飾るとかなりマッチするはずです。

ご自身のお家にもいいですし、新築祝いでのプレゼントにもよろしいかと思います。屋外をちょっとおしゃれにしたい方におすすめです。

ユーカリポポラス|爽やかな香りが漂う人気植物

花言葉 再生、新生、追憶
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 日光を好みます。明るい場所で管理しましょう。
耐暑性 強い
耐寒性 -5℃程度まで管理可能
注意点 乾燥気味を好むので、水の与え過ぎによる根腐れに注意

ユーカリ系の植物も屋外管理ができる植物の定番です。落ち着いたマットな色、擦ると漂う爽やかな香り。こちらも魅力たっぷりの植物となっています。

もともとオーストラリアの乾燥地帯に自生している植物なので、乾燥にも強いです。また寒さにも強く、氷点下5度程度までなら耐えられる力も持っています。

当然直射日光下で管理しても問題ありません。こちらも屋外管理ができる植物の中では人気植物です。

シマトネリコ|鮮やかな緑を感じたい人におすすめ

花言葉 偉大、荘厳、高潔
初心者向き 初心者でも育てやすい植物です
日当たり 直射日光下での管理も可能です
耐暑性 強い
耐寒性 −5℃程度まで耐えられる

直射日光に強い植物というと、厚めで濃い色の葉っぱが多い中、シマトネリコは鮮やかなグリーンを楽しめる植物です。

その色と、風が吹くとサワサワといい音がすることから、どこか涼しげな雰囲気もあります。

状態を保つには適度な水を必要とするので、土が乾いた頃にたっぷりと水やりを行う必要があります。

こちらはオリーブと一転、和風な雰囲気にも似合う植物です。「オリーブはちょっと・・・」という場合は、こちらの植物を候補に入れてみてはいかがでしょうか。

ソテツ|武骨さと頑丈さが魅力の植物

花言葉 雄々しい
耐寒性 強い
耐暑性 強い
水やり 屋外管理の場合は、雨のみで十分
室内管理の場合も、月に1回程度(たっぷりと)で十分
置き場所 日の当たる場所、日陰でもOK

太い幹の先端から長い羽毛のような繊細な葉が、緩やかなアーチを描くように展開するソテツ。十分に生長した成木は、時期を迎えると幹の先端にベージュカラーの大きな花を咲かせます。濃緑の葉と茶色の幹の相まった姿・たたずまいが南国のリゾートの雰囲気があり、トロピカルな印象がありますが、古くから日本庭園でも植えられる庭木として親しまれています。

九州地方や沖縄地方に自生するソテツは、日本の気候風土によくあい、寒さにも耐性があるので、東北地方ぐらいまでなら地植えで育てることもできます。生長スピードがとてもゆっくりな樹木なので、剪定や植え替えなどの管理の手間もなく、鉢植えで育てやすいです。

厚みのある濃緑の葉は丈夫で、直射日光下でも葉焼けを起こしにくいので、日当たりの良い場所で育てるのがベストです。日陰にも耐性があるので、軒下や木の木陰となる場所でも健全に育ちます。

コルジリネ・レッドスター|地植えも行われる屋外植物の定番

花言葉 幸せな交際
耐寒性 強い
耐暑性 強い
水やり 土が乾いたらたっぷりと水をやる
置き場所 日の当たる場所

地面からゆるやかな曲線を描きながら幹が長く伸び、その先端から白みがかった赤黒い長い葉が花が開くようにぱっと展開するコルジリネ・オーストラリス・レッドスター。光沢のある黒みがかった赤銅色の葉が美しく、大人っぽい上品さのある空間を演出します。

オーストラリアを原産とするコルジリネ・オーストラリス・レッドスターは、寒さに耐性があるため、最近では造園工事でもよく植えられるようになりました。気温が氷点下9.4まで耐えられるといわれていますが、暖かい場所でよく育つ樹木なので、できるだけ氷点下を下回らない場所で育てるのがベストです。関東地方周辺の地域までなら、庭の花壇など地植えで育てることもできます

6月ごろを過ぎた暖かい時期になると、幹の先端から白い小さな花がふさ状に集まって咲きます。花はほのかに爽やかな甘い香りがします。

トックリラン(ノリナ)|寒さにも強くてベランダや庭におすすめ

花言葉 多くの才能
耐寒性 強い
耐暑性 強い
水やり 乾燥気味に育て、土が乾いたらたっぷりと。
置き場所 明るい場所

亀甲状に割れた幹肌をもつ幹が、ボールのように丸く太く伸び、ユニークな樹形に生長するトックリラン。幹の先からは、髪の毛のような長い葉がカールを巻くようにふわりと伸び、ウマのしっぽのようにも見えることから「ポニーテール」の別名つけられています。

乾燥した場所を好むトックリランは、メキシコの東南部などに自生し、雨があまり降らない日が続いても、たくましく大きく生長します。暑さや乾燥に強いだけでなく、直射日光にも強く、葉焼けや水切れを起こしにくい樹木です。

また、熱帯の観葉植物の中でも寒さにとても強く、気温が氷点下9℃ほどまでなら耐えられます。ただし、霜に当たってしまうと株が枯れることも。腐葉土やバークチップなどで株元をマルチングすれば、寒さで枯れにくくなり、地植えで育てることもできます。

【屋内向け】直射日光を好むおすすめの観葉植物5選

次に、屋内向けの直射日光を好むおすすめの観葉植物を5つ紹介します。

  • サンセベリア
  • ストレリチア・レギネ
  • オーガスタ
  • カシワバゴムノキ(フィカス・リラータ)
  • クロトン・ペトラ

どの植物も直射日光が当たる場所で管理できますが、日陰で育てていたものを突然強い光に当てると、葉焼けを起こすこともあるので注意しましょう。また、冬の寒さには、比較的弱い植物なので、秋から春ごろまでは暖かい室内で管理するといいです。

サンセベリア|窓際でも水切れを起こしにくい

花言葉 永久、不滅
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 直射日光にも、日陰にも強い植物です
耐暑性 強い
耐寒性 やや弱い(10℃程度)
注意点 水やりが少なく済むため、本当に水やりを忘れないように

観葉植物の中でもメジャーな地位を確立しているサンセベリア。選ばれる理由はあるかと思いますが、育てやすいことが大きな理由の一つです。

多肉質の葉にたくさんの水分をたくわえています。葉焼けを起こしにくく、暑さや乾燥にもとても強いです。水切れで枯れることもあまりありません。直射日光が当たる窓際でも弱ることがあまりなく、観葉植物の中でも特に枯れにくい植物です。

また、上に真っ直ぐ葉っぱが伸びることから、ボコリが溜まりづらいというメリットもあります。屋内用で直射日光に強い植物をお薦めしている方は、ぜひチェックしてほしい植物です。

ストレリチア・レギネ|上品な花が美しい

花言葉 輝かしい未来、寛容、気取った恋
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 直射日光下でも、室内管理も両方可能です
耐暑性 強い
耐寒性 最低5℃程度をキープしましょう

「輝かしい未来」の花言葉をもつストレリチア・レギネは、鳥に似たオレンジの花が葉からのぞかせるように咲く観葉植物。バナナに似た大きな葉が、つばさを羽ばたかせるように無数に展開する姿が圧巻です。観葉植物の中でも上品な花と、鮮やかな葉を長く鑑賞できるので、部屋のアクセントとなるインテリアにもなります。

南アフリカの東ケープ州周辺を原産とするストレリチア・レギネは、直射日光や暑さに強いだけでなく、強風や潮風に強い植物です。海岸近くの住宅でも、塩害にあいにくく枯れることがあまりありません。ただし、暖かい地域を好むため、氷点下以下の温度では生長が鈍くなる場合も。

地植えなど室内に移動ができない場合、気温が5℃を下回る寒い地域では、直射日光がよく当たる明るい場所で管理するといいです。

花は、比較的暖かくなる5月ごろから咲きはじめるので、3月ごろから窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)のバランスが取れた緩効性化成肥料を与えましょう。地植えで育てている場合は、リン酸が多く入った油かすや骨粉質類の有機肥料を与えるといいです。

オーガスタ|大きな葉が存在感を演出

花言葉 輝かしい未来
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です
日当たり 直射日光にも強い植物です
耐暑性 強い
耐寒性 最低10℃程度をキープ
注意点 葉が広がる場合があるため、広さに余裕のある場所での管理がおすすめです。

大きな葉っぱが印象的なオーガスタ。どこかトロピカルな雰囲気もあり、インテリアとしては当店おすすめの植物の一つです。

直射日光に強く、明るい場所を好むため、室内であれば窓際においても問題ありません。

ストレリチア・レギネと形が似ていますが、こちらは葉っぱの存在感がしっかりとしていて、力強さも感じます。

また、金運アップの風水効果もあることから、縁起の良い植物でもあります。

フィカス・リラータ・バンビーノ(カワシワバゴムノキ)|夏はベランダや屋外で管理できる

花言葉 永久の幸せ
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
水やり 春・秋:月2〜3回
夏:月3〜4回
冬:月0〜1回
置き場所 夏は屋外飼育も可。冬は屋内で管理。

相撲で勝敗を判定するのに用いる軍配(ぐんばい)のような形をしたしわの濃緑の硬い葉が、空へ羽ばたくように華麗に展開するフィカス・リラータ。ざらざらした黒味がかった茶色の幹が、かろやかな曲線を描くように伸び、互い違いに大きな葉を出すので見応えのある観葉植物です。

熱帯アフリカを原産とするフィカス・リラータは、大きくなると樹高が12m程度まで生長するゴムの木で、室内でも大きな鉢植えで育てれば2〜3mを超えることもあります。比較的ゴムの木の中でも生命力が強く、暑さや寒さに耐性があるので、秋ごろまでなら庭先・玄関先・ベランダなど、屋外で管理することも可能です。

厚みのある固い葉は、日光にある程度なれると、直射日光によって葉焼けを起こすこともあまりありません。夏の猛暑日を避けた日中であれば、カーテンなどで遮光をしなくても大丈夫でしょう。

ただし、水切れには注意し、春と秋の水やりは月に2〜3回程度、夏は4〜5回程度、冬は1〜2回程度で水やりをしましょう。また、冬の寒い時期でも新芽が出るようであれば、土の中が乾かないようにたっぷりと水を与えます。

クロトン・ペトラ|暑い日差しが大好き

花言葉 妖艶、艶っぽい
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
水やり 春・秋:月1〜2回
夏:月2〜3回
冬:月0〜1回
置き場所 明るい場所

あでやかな赤・黄・緑の楕円形(だえんけい)の葉が無数に展開するクロトン・ペトラは、夏の日差しにも負けない強い観葉植物。真夏の直射日光に当たっても葉焼けや水切れを起こしにくく、太陽光が入る窓際でも元気良く生長します。直射日光が当たる場所で育てれば葉の色味が強くなり、より色鮮やかな姿を楽しめます。

太陽の光にも負けないクロトン・ペトラは、マレー半島からオーストラリア大陸までに生息するクロトンの園芸品種です。クロトン・ペトラをはじめとする品種全てが暑さに耐性があり、乾燥する場所でもたくましく育ちます。そのため、秋ごろまでなら屋外でも管理でき、筆者いるカナダでも鉢植えで寄せ植えとして飾られているところも多くあります。

ただし、日影過ぎる場所で育てていると、葉の色味が悪くなったり、落葉したりする場合も。冬では寒過ぎて生長不良を起こすこともあるので、できるだけ暖かい窓際で育てるようにしましょう。

直射日光が当たる場所での観葉植物の育て方とコツ

観葉植物にとってストレスとなりやすい、直射日光下での管理。当て過ぎることで、葉焼けや水切れを起こし、最終的には枯れてしまう場合もあります。できるだけ観葉植物を直射日光に慣れさせ、健康的に育ちやすい快適な環境をつくりましょう。

ここでは、直射日光が当たる場所での観葉植物の育て方とコツについて5つ紹介します。

  • 夏場は遮光をして管理する
  • 風通しを良くする
  • 季節に合わせて水やりをする
  • 屋外では、1日4時間程度日光浴させる
  • 2〜3年に1回のペースで植え替えをする

1. 夏場は遮光して管理する

基本的に多くの植物は、直射日光が当たる場所で長期間育ていると、強い光への耐性が付き、葉焼けを起こしにくくなります。しかし、日本の真夏の猛暑日は気温が高過ぎるため、太陽の光も強いため、できるだけ遮光したほうが安心です。

強い光にあまり耐性がない観葉植物を直射日光下に置く場合は、夏の間だけカーテンやブラインド、すだれを併用してみてはいかがでしょうか。屋外では、木や庇の下、軒下で管理するといいです。

2. 夏場の日中の水やりは避ける

日光の当たり方と同じぐらい気をつけてほしいのが、夏場の水やりの時間帯です。

夏場の日中に水をやると、鉢の中で水がお湯のように温まり、根にダメージを与えかねません。結果根腐れとなり、枯れの原因ともなりますので、夕方以降の涼しい時間帯に水やりを行うようにしてください。

ちなみに冬場は、寒さによって水が低温過ぎる場合があり、根を傷める可能性があります。できるだけ、気温が高くて暖かい10〜11時ごろに水やりをします。

3. 夏場はやや水やり頻度を高める

直射日光の当たる屋外管理をするとわかると思いますが、夏場は土の乾きが急激に高まります。

植物も生き物ですので、乾いた土を放置してしまうと、やがて枯れてしまう原因にもなります。特に夏場は土の乾き具合に気を配り、普段より多めの水やり頻度を意識しましょう。

観葉植物の水やりは、一回でたっぷりと与えることがポイントです。植物の根は、動物のように呼吸をしているので、鉢の中には二酸化炭素がたまっています。水を勢いよく与えることで二酸化炭素を押し出し、新鮮な空気を取り込むことができます

水をちょろちょろと与えると、鉢の中全体に水が行き渡りにくく、水切れを起こしやすくなる場合も。できるだけ、鉢底穴から水がたくさんこぼれるぐらい与えてください。

4. 風通しを良くする

植物は風が全くない場所では、暑さによって乾燥しやすく大きなストレスを受けることもあります。さらに、アブラムシやハダニなどの害虫が付きやすくなり、生長不良を起こしたり、病気にかかったりする場合も。

風通しが良くなることで、涼しい環境がつくりやすく、植物は直射日光が当たっても葉焼けを越しにくくなります。

5. 屋外では、1日4時間程度日光浴させる

室内の観葉植物を、屋外へ移動させて日光浴させることもあると思います。日光浴は1日4時間程度を目安にするといいです。できるだけ、午前中の涼しいうちに屋外に出し、木・庇の下や軒下に置きましょう

ただし、普段から直射日光が当たらない室内で育てている場合、突然屋外の強い光が当たる場所へ移動させると、葉焼けを起こす場合も。初めて日光浴させる場合は、1ヶ月程度を見越して、徐々に明るい場所へ移動させ、日光への耐性を付けさせましょう。

西日の直射日光は避ける

日光浴をさせるときに注意したいのが「西日」です。特に夏場の西日は日中に鉢が熱くなり、さらに西日によって葉焼け・根腐れ・水切れ・乾燥・病害虫を招く恐れがあります。

西日に当たることが原因ではなく、太陽の光に当たり過ぎることが、鉢植えで育てる植物にストレスを与えます。3時ごろを過ぎたあとは、観葉植物を涼しい日陰に移動させ、乾燥させ過ぎないようにしましょう。

6. 2〜3年に1回のペースで植え替えをする

鉢植えで育てる植物が水切れを起こす要因の1つに「根詰まり」があります。根鉢がパンパンになると根詰まりを起こし、酸欠や生育不良を引き起こします。また、水やりをしたときに、土に染み渡りにくくなったり、すぐに乾きやすくなったりするため、水切れも起こしやすいです。

鉢植えで観葉植物を育てる場合は、2〜3年に1回のペースで植え替えをしましょう。根鉢よりも2回りほど大きい鉢に植え替えをするのが最適です。また、土が新しくなれば、微生物が増え植物の生長を助けてくれます

オリーブの木

花言葉 平和、知恵
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です。
日当たり 明るい屋外管理をお勧めします。
耐暑性 強い
耐寒性 最低0℃程度
注意点 室内で育てると徒長する場合があるため注意。

植物と直射日光の関係|与える効果と影響とは

植物にとってあまり良くない直射日光ですが、植物化学から考えたときには、少し見方が変わります。

ここでは余談として、植物と直射日光の関係について解説します。

植物にとっての光とは

植物化学において、光は植物の光合成に必要なものです。実際に光が十分に当たっているかいないかで、植物の背丈が違います。さらに、光が十分に当たることで、茎・幹・枝の数も増えるという実験結果があるようです。

植物が大きく育つために必要な光ですが、実は光の当たり過ぎは生長不良を引き起こす原因でもあります。植物も人間と同じように体内時計(生物時計)があり、太陽の時間帯にあわせて、効率良く光合成ができるようになっています。

しかし、24時間光が当たり光合成を続けさせると、体内時計が崩れ、光合成の量や質が悪くなるため生育不良となるようです。

さらに植物の生態によっては、1日の陽の出ている時間帯が長いころに花芽を付ける「長日植物」と、陽の出ている時間帯が短いころに花芽を付ける「短日植物」があります。

特にカランコエなどの短日植物は、光に当たり過ぎると花を咲かせなくなるので、日当たりには注意が必要です。

植物と紫外線

紫外線には、「UV-A(315〜400nm)」「UV-B(280〜315nm)」「UV-C(280nm以下)」の3つのタイプに分けられ、光の波長が違います。波長が短くなるほど生物にとって危険な光となります。

そのうち、オゾン層を通して地球に降り注ぐ紫外線は、UV-AとUV-Bのみ。波長が最も短いUV-Cは、オゾン層によって反射するため地球には届きませんが、生物の細胞のDNAにダメージを与え、細胞の死滅・突然変異といった現象が起こるといわれています。

UV-AとUV-Bは、人間にとっては老化の促進や皮膚ガンの誘発となります。しかし、植物にとっては、必ずしも必要ではないそうですが、あったら良い効果があるようです。

UV-Aは、茎が長く伸び過ぎてしまう現象(徒長)を抑え、葉がピンと広がる伸展現象を促す効果が期待されています。さらには花芽の形成を促進する効果も。

UV-Bは、現在でも解明されていないことが多いようですが、徒長を抑える効果はあるといわれています。

植物と赤外線

熱をよく伝えるため「電磁波」とも呼ばれる「赤外線(690〜770nm)」は、「植物が健全に育つために必要な光」といわれています。ストーブの前で暖かいと感じるのは、赤外線によって熱が伝わるためです。

赤外線には、種の発芽のコントロール・花芽の形成、さらには葉が開いてから光合成を始めるまでの現象を促す効果があるようです。植物の葉は、サーモグラフィのように感じることができ、光の方向にあわせて体の向きを変え、効率良く光を吸収します。

実験では、赤外線がカットされた白熱蛍光灯では、発芽したての植物が正常に育ちにくいということも証明されているようです。太陽の光が差し込まず、白熱蛍光灯で植物を育てることは難しく、大きくなりにくいです。ただし、セントポーリアなどの植物は蛍光灯でも育つので、種類や生態によっては違います。

ちなみに、太陽の傾きにより朝と夕方の赤外線には「植物を徒長させる光(遠赤色光)」が多く含まれるようです。そのため、夜に光合成を行わない植物は、西日に当たり過ぎると茎を徒長しやすくなるようです。

まとめ

植物には強い光に耐性をもつものがあり、種類を選べば直射日光下でも観葉植物は育てられます。ただし、真夏の強い日差しは、葉焼けや水切れを起こしやすく、大きなストレスとなりやすいので、遮光しながら管理することがポイント。また、時間帯にも注意しながら水やりを行うと、観葉植物の美しい葉をいつまでも観賞できます。

葉をもたず、茎が太くなり水のタンクとなるようなサボテンは、暑さと乾燥に特化した生態で、夏の直射日光に当たっても枯れる心配は少ないです。そのため、今回紹介した育て方に全て当てはまらないこともあります。しかし、サボテンも極端な水不足により、水切れを起こし枯れることもあるので、日頃の観察は大切です。

ぜひ直射日光下でも枯れない観葉植物を選んで、部屋やベランダ、庭をおしゃれにコーディネートしてみてください。

屋外用観葉植物の定番【オリーブの木】

花言葉 平和、知恵
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です。
日当たり 明るい屋外管理をお勧めします。
耐暑性 強い
耐寒性 最低0℃程度
注意点 室内で育てると徒長する場合があるため注意。

直射日光を好む観葉植物に関するよくある質問

直射日光に強い観葉植物は?

直射日光に強い観葉植物は、サボテンや多肉植物が良く、最も強い光に耐性があります。ベンケイソウ科の「カネノナルキ」は、ピンクの花が咲き、樹木のように生長し、観葉植物でも人気の種類です。

今回紹介した観葉植物では、屋外向きのソテツや常緑ヤマボウシなどが特におすすめです。

庭において直射日光に強い多年草は?

直射日光に強い多年草は、アサギリソウ、セダム、ガザニア、エキセナ、斑入りヤブラン、ツワブキなどがおすすめです。庭を彩る植物として、葉や花を楽しめます。ガザニアとエキセナ以外は、常緑性なので冬でも緑の葉を観賞できます。

比較的、キク科の植物は太陽の光を浴びることで開花を促進するものが多いので、直射日光にも負けない生命力があるかもしれません。

ほったらかしても枯れずに育つ観葉植物は?

水やりや肥料など管理をほったらかしても元気よく育つ植物は、筆者個人的には「アロエベラ」がおすすめです。筆者は南西側の窓際に置いていますが、夏場の直射日光・西日に当たるうえ、水も2〜3ヶ月程度与えないこともありました。しかし、古くなった下部の葉が枯れるだけで、株自体が枯れることはありません。

初心者でも育てやすく、ほったらかしても枯れずに育つので、植物の管理が苦手な方にもおすすめです。

COLUMN

コラム