ガジュマルの育て方とおすすめの飾り方について

地面から茶色の幹がボコボコと膨れ上がったように伸び、手触りの良い小さな丸みのある葉をたくさん出すガジュマル。ユニークな幹は個体によって違い、好みの樹形を選べる魅力もあります。

観葉植物の中でも代表的な樹木で生命力が強く、初心者でも育てやすいので、インテリアとして室内の観葉植物におすすめです。

今回は、ガジュマルの特徴や魅力についてたっぷりと紹介します。さらに、枯らさないための育て方のコツや適切な剪定(せんてい)の時期と方法、植え替えの仕方、室内でのおすすめの飾り方などについても解説します。

パンダガジュマル

花言葉 永遠の幸せ、すこやか
初心者向き 初心者でも育てやすい植物です。
日当たり 室内管理も可能ですが、日光を好みます。できるだけ明るい場所で管理しましょう。
耐暑性 強い
耐寒性 最低5℃を下回らないように
注意点 葉っぱが多く、新陳代謝でポロポロと落ちるため、お手入れをこまめに行いましょう。

目次

ガジュマルの基本情報

学名 Ficus microcarpa
英名 Chinese banyan、Malayan banyan、Indian laurel、Curtain fig、Gajumaru
別名 ヨウジュ、多幸の木、締め殺しの木
科名・属名 クワ科・イチヂク属
特性・形態 常緑性小高木
樹高 1〜25m
原産地 種子島以南の東南アジア、オーストラリア、インド
USDA zone 9a(-6.7〜-3.5℃までなら耐えられる)
耐寒性 やや強い
耐暑性 強い
耐陰性 強い
特徴 生長スピードがやや早い、高温多湿を好む、街路樹、防風林、防潮林、生垣
花言葉 健康、たくさんの幸せ
誕生花 2/14

日本では沖縄や種子島に、海外では東南アジア・ミクロネシア・台湾・オーストラリアなど、熱帯地域に広く自生しているガジュマルは、冬に葉を一斉に落とさない常緑性小高木。

まるで雨が降るように、幹や枝からたくさんの「気根(こきん)」と呼ばれる根が地面まで伸び、ジャングルに生えた木のような個性的な姿になります。そのユニークな姿が観葉植物として人気で、カナダなどの海外では「BONSAI」の木としても有名です。

沖縄では「キムジナー」と呼ばれる精霊が棲んでいるという言い伝えがあり、縁起の良い木として植えられることもあります。そのため、観葉植物としても風水効果が高く、健康運を上げるパワーがあるといわれています。

ほかの植物と比べるとガジュマルは、生長スピードがやや早く、地面に植え付けられたものなら、大きくなると樹高が20mを超えることも。観葉植物としてよく販売されている「ニンジンガジュマル」なら、比較的手乗りサイズのものが多く、大きくなっても、樹高は1.5m程度です。

ただし、定期的な剪定をしないと樹形が乱れ、株の内側が枯れてしまうこともあります。インテリアの景観も悪く見えてしまうので、枝葉が混み合ったときにも剪定をしましょう。

また、寒さにはある程度強く、大きく育ったものなら氷点下でも枯れることがあまりありません。ただし、温暖な場所を好むので、北風が強く吹くような場所では、生長不良を起こしたり、株が枯れてしまうことも。置き場所・植え付け場所は、強い風が当たらない場所を選びましょう。

ワンポイントアドバイス

USDA Plant Hardiness Zoneとは

United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。米国農務省が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone

  • 観賞期:5〜8月(花)
  • 結実期:11〜12月
  • 植え付け、植え替え:5〜6月
  • 肥料:4〜10月
  • 剪定:5〜6月

ガジュマルの葉・花・実の特徴

観葉植物でかわいいサイズのものが販売されているガジュマルですが、自然界に生えるものは巨木になります。

筆者がカンボジアで見た野生ガジュマルは、樹高が20mを遥かに超えるような巨木で、周辺の遺跡を突き破り覆い被さるように生長します。固い岩や地面の岩盤を突き破る力強さは圧巻です。

ここではガジュマルの葉・花・実の特徴について紹介します。

ガジュマルの葉・・・丸みのある厚い小判型

ガジュマルは、太い幹から細い枝を伸ばし、葉軸から小判のような丸みのある厚い葉を互い違いに出す広葉樹です。濃緑の葉は革質で光沢があり、長さ3〜10cm程度まで大きくなります。葉や枝などちぎったりおったりすると、白い乳液が出てきます。肌に触れるとかぶれることもあるので、剪定をするときなどは注意しましょう。

ガジュマルの花・・・赤い実の中にたくさんつまっている

クワ科イチジク属に分類されるガジュマルは、イチヂクと同じように「花嚢(かのう)」と呼ばれる実のような花を咲かせます。花軸(かじく)と呼ばれる花の首が肥大して袋状になり、その内側に小さな花をたくさん付けます。一見外からでは花が咲いていないように見えますが、葉の付け根に赤い実(花嚢)が付いているときは、ガジュマルの花が咲いている瞬間です。

ガジュマルの実・・・イチジクよりも小さいサイズ

花嚢を付けたガジュマルは、「コバチ」と呼ばれる特殊なハチの仲間によって受粉をし、実(果嚢)を付けます。直径8〜10mm程度の球体状で、イチヂクよりもとても小さいサイズです。袋状になった実の中にはたくさんの種が、内側の壁面にびっしりと付いています。

ガジュマルの花言葉は「健康」「たくさんの幸せ」など

ガジュマルの花言葉は、「健康」「たくさんの幸せ」です。

アスファルトやコンクリートなど硬いものを突き破るほどの威力があるガジュマルは、生命力の強さを象徴します。そのたくましい姿から、「健康」の花言葉が付けられたといわれます。

ガジュマルの魅力

盆栽や苔玉など、おしゃれに仕立てられ、さまざまなインテリアによくなじむガジュマル。手乗りサイズのものも多く、手頃な値段で購入ができる魅力も1つです。

ここでは、ガジュマルの魅力を3つ紹介します。

  • 初心者でも育てやすい
  • 個性ある樹形を選べる
  • 直射日光が当たる場所でも育てられる

1. 初心者でも育てやすい

つるのような根を無数に伸ばし、株が大きくなるガジュマル。生命力がとても強く、初心者でも枯らしにくい観葉植物です。日陰でも育ちやすく、日当たりの悪い場所に長時間置いてもあまり問題はありません。水やりや過湿などに注意して管理すれば、枯らすこともあまりありません。

また、枝葉を切ってもそこから新しい芽が伸びたり、切った枝葉から新しい根が出たりするので「挿し木」で増やすことも簡単です。

2. 個性ある樹形を選べる

地面から数本の独特な太い幹が、立ち上がるように伸びるガジュマル。個体によって幹の形や枝葉の伸び方が違い、個性豊かたな樹形を楽しめる観葉植物です。植木鉢のデザインや仕立て方によってガジュマルの雰囲気は違い、インテリアのテイストにあわせて好みのものを選べる魅力があります。

3. 直射日光が当たる場所でも育てられる

熱帯の海辺や丘陵に自生するガジュマルは、直射日光にも負けないたくましさがあります。日当たりの良過ぎる部屋や庭でも育ちやすく、葉焼けや水切れを起こすこともあまりありません。窓枠に置いておくと、冬場は直射日光が室内に入るの防げ、「遮光」の役割にもなります。

ガジュマルの育て方

基本的に難しい管理があまりないガジュマルですが、土を過湿な状態にすると根腐れを起こして枯れてしまうこともあります。

定期的にどのようなケアをする必要があるのかなど、ガジュマルの基本的な育て方を知っておきましょう。

育て方のポイント

ここでは、ガジュマルの育て方において、知っておきたい4つのポイントを紹介します。

  • 風通しの良い場所に置く
  • 排水性のある土で育てる
  • 土を乾かし気味に水やりをする
  • 液体肥料も与える

Point1. 風通しの良い場所に置く

高温多湿な環境を好むガジュマルですが、鉢植えで育てる場合は、高温にならないように直射日光を避けた半日陰になる風通しの良い場所で育てるのがベスト。直射日光が差し込む場合は、カーテンやブラインドで遮光し、日光の強さを調整するといいです。

ただし、日光が全く入らず、暗すぎる部屋では育ちにくいです。日光が全く入らない場所に長時間置いてしまうと、枝葉がひょろひょろと伸びたり、葉の色味が悪くなったりして見た目の悪い姿になる場合も。窓際から少し離し、朝の陽が差し込む場所を選ぶといいです。

また、西日の当たり過ぎは、ガジュマルの枝葉を徒長させやすく、葉焼けや色変わりを起こす場合もあるので、東や南側の方向の部屋に置きます。

夏と冬の置き場所

1年を通して、ガジュマルは日当たりと風通しの良い場所に置きます。しかし、日本の真夏の直射日光や極端な寒さには弱いので夏と冬で置き場所を変えて管理するといいです。

夏は、日中の直射日光が当たらず、風が通り抜けるような部屋の中心部当たりに。冬は、午後ぐらいまで直射日光が当たって、温度が高い場所になる窓際周辺がおすすめです。

ただし、冬の夜は気温が急激に低くなるので、暖房を付けたり窓際から離したりして、冬越しをさせましょう。

徐々に光や寒さ・暑さに慣らすことで、ガジュマルは環境の変化にも負けない、強い株へと生長します。

Point2. 排水性のある土で育てる

ガジュマルは、有機質がたっぷりと入った土が大好き。ただし、硬くて粘土状になる土だと根腐れが起こり、株が枯れてしまうこともあります。6:3:1=赤玉土:腐葉土:ピートモスの割合で混ぜ合わせ、排水性・保水性のある土をつくりましょう。

また、無機質な土では、養分がなければ微生物も住んでいないため、肥料で補う必要があります。化学肥料を与え過ぎると植物は「酸化」をし、病害虫の被害にあいやすくなります。悪循環な環境が生まれやすいので、赤玉土などの無機質な土を使う場合は、有機肥料と混ぜて使うといいです。

Point3. 土を乾かし気味に水やりをする

多湿な環境を好むガジュマルは、土をカラカラに乾かさないように水やりをしましょう。水は一度にたっぷりと与えて土にメリハリ(乾燥と湿潤な状態)が付くようにするのがポイント。水をちょろちょろと何度も与えるのでは、土が乾きにくく、鉢が熱くなったときは根腐れを起こしてしまう場合もあります。

たっぷり水を与えることで、土の中にたまった二酸化炭素を外に押し出して、新しい酸素を取り込むことができるので、根腐れ防止にもなります。

ただし、太い幹にたくさんの水分をたくわえているので、過剰な水やりは根腐れの原因になるので注意しましょう。

また、園芸において「日中に水やりをする」ことは、やってはいけないことの1つとされています。日中の水やりは、太陽の光によって鉢の中が高温多湿な環境にになりやすく、根を傷めやすくなります。高温多湿な環境が大好きなガジュマルですが、日本の真夏は35℃を超えることが多く、水やり後に窓際に置いていると暑過ぎて株に大きなストレスを与えやすいです。できるだけ、気温が低い午前中に水やりを済ませ、午後に水切れを起こさないようにしてあげましょう。

夏と冬の水やり

基本的には湿り気のある土でよく育つガジュマルですが、夏と冬では少し水やりのタイミングと回数を変える必要があります。

夏の場合は乾燥した状態が長く続かないように、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。環境によって違いますが、月に3〜4回程度の水やりで大丈夫です。

冬の場合は、湿った状態が長く続かないように、土の中が乾いてから3日後ぐらいに水をたっぷりと与えます。月に1回程度の水やりで土を乾かし気味にしましょう。また、冬は水やりを極力控えると樹液が濃くなり、寒さに耐性が強くなります。

定期的に葉水もする

熱帯の植物であるガジュマルは、できるだけ毎日葉水を行って、湿度が高い環境をつくりましょう。株が乾燥してしまうと、葉の先端から茶色く枯れたり、葉焼けを起こしたりすることもあります。葉から水滴が滴れるぐらいの量で、たっぷりと葉水を行ってください。

Point4. 液体肥料も与える

生命力の強いガジュマルは、基本的には肥料を与えなくても元気に育ちますが、肥料を与えた方が生長スピードが早くなり、緑鮮やかな葉をたくさん出すようになります。生長期の4〜10月にかけて、2ヶ月に1回程度のペースで観葉植物用の緩効性化成肥料や有機肥料を与えましょう。水やりの代わりとして、液体肥料を与えるのもおすすめです。

ただし、たくさん与えてしまうと、生長が過剰に促進されてしまい高木になる危険性も。生長スピードも一段と早くなってしまい剪定などの管理も大変になってしまうので、肥料の与え過ぎには注意してください。

剪定・・・2〜3年に1回のペースで

ガジュマルは、生長すると株の内側の枝葉が混み合い、日当たりや風通しが悪くなります。放置すると見た目が悪くなるだけでなく、葉が茶色く枯れて落葉したり、病害虫の被害に遭ったりする場合も。

室内の観葉植物として鉢植えで育てている場合は、2〜3年に1回のペースで行いましょう。背丈が高くなり過ぎたときや、枝葉が混み合ったりしたときにも剪定をするといいです。

基本的には、長く伸び過ぎた中心の幹、絡み合った枝葉、色が黒ずんだ古い枝葉、枯れた枝、不要な枝を間引くように透かしながら剪定します。強剪定にも強いので、大きくなり過ぎたときは、好みの高さで太い幹や枝を切っても大丈夫です。

適切な剪定時期は5〜6月

ガジュマルの剪定は、暖かくなりはじめる5〜6月の間にしましょう。氷点下を下回るような真冬の剪定は、ガジュマルにとって大きなストレスになり、新芽が出なくなってしまったり、株が枯れてしまう場合もあります。

剪定のコツは、株の内側を透かすこと

一本の太い幹(主幹)から、細い枝葉を伸ばしながら大きくなるガジュマル。剪定をうまくしないと、株の内側に光が当たらず枝葉が枯れ、スカスカで見た目の悪い姿になります。基本的に長く伸びた幹や枝葉を、枝分かれした箇所まで切り戻すような剪定で全体の樹形を整えます。ただし、太い幹や枝を切り詰め剪定し過ぎてしまうと、切った箇所から複数の枝葉が伸びて樹形が暴れる場合もあるので注意してくださいね!

  1. ガジュマルの理想の高さや幅など、剪定するラインを決める
  2. ガジュマルの主幹から伸びる枝の透かし剪定
  3. ガジュマルが大きくなり過ぎたときは、決めたラインから出ている枝葉を切り落とす
  4. 決めたラインから出ていて、樹形を乱すような幹や枝葉は全て、枝分かれした付け根で切り落とす
  5. 枝先から伸びる細かい枝葉を、好みの透かし具合に調節しながら切り戻す

生育が悪くならないように、以下のような枝を枝分かれしたところまで切り戻しましょう。ガジュマルの枝を切るときは、必ず付け根の数ミリ上で、切り口と残った枝のラインが並行になるように切るのがポイントです。切る位置が近過ぎたり、遠過ぎたりすると枝が枯れる場合も。

  • 内向枝|株の内側に向かって伸びる枝
  • 交差枝|枝同士が十字に交差する枝
  • 絡み枝|太い枝に絡みつくように伸びる枝
  • 立ち枝|横に伸びている太い枝に対して、直立したように上に強く伸びる枝
  • 徒長枝|株から強く飛び出すように、太く長く伸びる枝
  • 平行枝|近い位置で平行に同じ方向へ伸びる枝
  • 逆さ枝|地面に向かって伸びる枝

植え替え…2〜3年に1回のペースで

生長すると鉢いっぱいに細い根が広がるガジュマル。長く放置をしていると、根詰まりを起こしたり、与えた水がなかなか土に染み込まず、水や栄養を十分に吸収できないため枯れてしまたりする場合も。

鉢植えで育てている場合は、2〜3年に1回のペースか、鉢底や土の表面から根が出ているときや、根がパンパンに伸びて土の表面が硬くなったときにも一回り大きい植木鉢に植え替えします。

ガジュマルの適切な植え替え時期は5〜6月

ガジュマルの鉢植えの植え替え時期は、暖かくなりはじめた5〜6月ごろです。ただし、氷点下を下回るような極寒日は根が寒さに当たり、株が弱ってしまうので避けるようにしてください。

植え替えの手順

Step1. ガジュマルを鉢植えから丁寧に出す

鉢の中に根がたくさん詰まったガジュマルは、鉢をひっくり返して底を叩いたりすると簡単に抜けます。もし根鉢が抜けない場合は無理に引っ張らず、ポットの側面を押して鉢と根鉢の間をほぐしてから慎重に抜くようにして、できるだけ根鉢を崩さず、やさしく扱いましょう。やわらかいプラスチック製のポットの場合は、底を根鉢ごと押し出すように引き抜くと、根を傷めずに取り出せます。

根鉢を無理に引っ張ってしまうと、ガジュマルの幹の樹皮がはがれてしまい、水やりのときの水分によって幹が壊死(えし)して、株が枯れ込む場合もあります。

Step2. ガジュマルの根鉢を崩して整理する

ハンドシャベルやはさみを使って、ガジュマルの伸び過ぎた根を前年と同じくらいのサイズまで小さく切り戻します。根から吸い上げた水分量と、葉から出る水分量が同じ量になるように、枝葉の数も減るように切り戻し剪定をしましょう。

Step3. ガジュマルを一回り大きい鉢に植え替える

一回り大きい鉢の底に用土を薄く敷き、元肥を入れます。鉢の中心に根鉢を置いたら、ガジュマルの根鉢の高さを調整しながら、用土を足し入れましょう。水をたっぷりと与え、指先や手のひらを使って土の表面を軽く押します。株が倒れないように、周りの土を寄せるようにしてガジュマルの株を固定させましょう。

病害虫対策…ハダニやカイガラムシに注意

比較的病害虫の被害にあいにくいガジュマルですが、日当たりや風通しが悪い場所で育てていると、菌やウイルスによって病気を起こしたり、乾燥した場所ではハダニやカイガラムシなどの害虫が付くこともあります。

風がなくて極端に乾燥する場所や、湿気がたまる場所では被害にあいやすいので、窓やドアを開けて空気の流れをつくりましょう。

病気

黒点病(黒星病)

比較的4〜11月ごろにかけて、葉の表面に黒褐色の斑点が現れ、次第に症状が悪化すると黄変し落葉します。株周り土に病原菌が潜んでいて、水やりや屋外に置いたときの雨の水が跳ね返って付着したことによって下部の葉から感染し、株の上部にも伝わることがあります。水やりのときは土にやさしくかけたり、雨の日は屋内に取り込んだりしましょう。病気が発症した場合は、感染した葉を取り除き、木酢液や薬剤を散布します。

すす病

春から秋ごろにかけて、葉の表面が黒いすすのようなカビが一面に生えます。放置すると株全体に広がり、光合成を阻害したり、生長不良を起こしたりします。ハダニやカイガラムシの排泄物によって発病するので、定期的な掃除や害虫対策が大切です。

害虫

ハダニ

1年を通して葉の表裏に発生しやすい吸汁性の害虫。風通しが悪くて乾燥した場所に発生し、葉の養分を吸汁します。放置をするとコロニーを形成し大量に繁殖し、落葉の原因になる場合も。定期的な葉水や剪定をしますが、大量に発生した場合は薬剤で対処するといいです。

カイガラムシ

1年を通して葉・枝・幹に発生しやすい吸汁性の害虫。成虫になると甲羅が硬質化し、薬が効きにくくなります。できるだけ薬の効く幼虫のうちから、薬剤散布を行うといいです。成虫は歯ブラシや軍手を使って擦るようにして補殺します。

ガジュマルが枯れる原因

生命力の強いガジュマルですが、環境の変化や管理の悪さによってストレスを受けしまい、株が枯れることもあります。ここでは、ガジュマルが枯れる原因とその対処法について紹介します。

まず、ガジュマルが枯れる原因は、主な3つがあります。

  • 水の与え過ぎによる過湿
  • 氷点下に近い環境での管理
  • 風通しの悪さ

それぞれについて、このあと詳しく解説します。

1. 水の与え過ぎによる過湿

鉢植えで育てるガジュマルは、土が乾き切らずに水をたくさん与えていると、根腐れを起こすこともあります。

真夏の時期は、鉢の中が高温多湿な状態になり、乾き切らなかった水分が熱くなり根を傷めます。冬は、長期的に湿っていることで根が酸欠不足を起こし、呼吸できずに根腐れを起こす場合も。

梅雨の時期など、環境によっては菌が繁殖して病気にかかりやすくなったりするので、土は乾燥と湿潤な状態をつくり、メリハリのある水やりをしましょう。

2. 氷点下に近い環境での管理

植物の中でも、比較的寒さや暑さに強いガジュマルですが、氷点下を下回る場所で長期的に管理していると株が枯れてしまうこともあります。寒さの耐性がやや低く、気温が5℃を下回ってしまうような場所では、生長の流れがにぶくなり、水やりのタイミングなどが変わってしまい、管理が難しくなる場合も。

株が枯れてしまうこともあるので、冬の間は暖かい室内で管理し、夜は窓際から離した場所で育てましょう。また、気温の変化の激しい場所では、葉の色が悪くなったり、株が枯れたりすることもあります。夏は高温にならないように日除けを、冬は毛布で鉢を巻くなどして夏越し・冬越しをしましょう。

3. 風通しの悪さ

風通しが悪くなると、ガジュマルの葉が突然落ちたり、葉が黄色くなったり、さらにはそのまま株が枯れてしまったりすることもあります。

室内で育てる場合は部屋を密閉せず、窓やドアを開けて空気の流れをつくりましょう。風通しが良くなり、土がよく乾きやすくなります。また、湿気がこもりやすい日は、サーキュレーターや扇風機を設置して、空気が停滞しないようにするといいです。

庭で育てる場合は、日陰があまりできなくて湿気がたまりにくい場所に植え付けましょう。

ガジュマルのおすすめの飾り方

鉢植えだけでなく、盆栽や苔玉などでもインテリアのアイテムとして楽しめるガジュマル。さまざまなテイストのインテリアになじみやすく、飾り方次第でハイセンスなインテリアに仕上げることもできます。

ここでは、ガジュマルのおすすめの飾り方について3つ紹介します。

  • テーブルやデスクの上にさり気なく飾る
  • テレビ横に置くと風水効果が高まる
  • 壁飾りの真下に飾る

テーブルやデスクの上にさり気なく飾る

盆栽のように仕立てられた樹高が低くいガジュマルは、テーブルや<デスクの上に1鉢置いてみましょう。span class=”marker”>ガジュマル単体でシンプルに飾ることで、人の視線をひきつけることができ、部屋を印象的に仕上げることができます。

ガジュマルのユニークな幹がより強調され、樹形や枝葉の伸び方などが美しく見え、1つのアート作品のようです。鉢カバーにもこだわって選ぶこともポイント。ガジュマルの姿が鮮明に映るような、シンプルなものがおすすめです。

テレビ横に置くと風水効果が高まる

風水において、電磁波を発生させるテレビは、健康運的にあまり良くないアイテムといわれることもあります。しかし、風水効果を下げやすいですが、風水効果の高い生きている観葉植物を一緒に置くことで悪い気をためにくく、健康運や幸運を上げることができるようです。

特に観葉植物の中でも、濃い緑の葉がたくさん出るガジュマルをテレビ横の空いたスペースに置くと、悪い運気を払い除け、健康運を高めることができます。

ちなみに風水では、東と南東の方向にテレビを置くと吉とされています。

壁飾りの真下に飾る

室内に絵画や写真、小物など壁飾りを飾っている場合は、ものの真下にガジュマルを飾って、作品をより強調させましょう。床から壁飾りへと自然に視線が流れ、印象ある部屋を演出してくれます。

部屋の角隅と同じように、縦のラインを意識して飾ることで、統一感とアイポイントが生まれ、壁飾りが強調されます。

また、小さな壁飾りが複数ある場合は、できるだけ1箇所にまとまるように飾りましょう。壁のあちこちに不規則に飾ってあると、散らかったように見え、部屋が狭く感じることもあります。

ただし、2mを超えるような絵画などの壁飾りの場合は、真下にガジュマルを飾ってしまうと邪魔になったり、汚く見えたりすることも。壁飾りだけで存在感があるので、シンプルに何も置かない方がいいかもしれません。

パンダガジュマルもおすすめ

日本に約20種類ほど、世界では約800種類以上の品種があるといわれるガジュマル。中には珍しい品種もあり、店頭にはなかなか並ばない種類も多くあります。

比較的よくお店で見かけるガジュマルは「ニンジンガジュマル」といわれ、ニンジンのような幹が特徴です。かわいい雰囲気があるニンジンガジュマルもいいですが、最近では「パンダガジュマル」という品種も人気で、室内の観葉植物におすすめです。

ニンジンガジュマルよりも幹が真っ直ぐと伸び、スタイリッシュな印象があります。樹高が2mを超えるものも多く、室内のシンボルツリーにもなるガジュマルです。

太い幹から伸びた枝からは、丸みのあるかわいい葉がたくさん展開し、こんもりとした姿になります。スタイリッシュさも感じつつポップで明るい印象もあり、カフェや飲食店の観葉植物にもおすすめです。

まとめ

初心者でも育てやすいガジュマルは、水やりや植え替えの頻度が少なく、管理の手間があまりかからない観葉植物です。個体によってさまざまな樹形があり、インテリアのテイストにあわせて好みのものを選べば、個性的でハイセンスな部屋づくりもできます。

また、健康運の風水効果が高く部屋に1つ飾っておくだけで、悪い気を払い除けて良い気を手軽に取り込むこともできます。健康的な面で何か悪いことが続くようであれば、強い生命力を感じるガジュマルを飾ってみましょう。目に見えないガジュマルのパワーによって、運気はさらに良くなるかもしれません。

パンダガジュマル

花言葉 永遠の幸せ、すこやか
初心者向き 初心者でも育てやすい植物です。
日当たり 室内管理も可能ですが、日光を好みます。できるだけ明るい場所で管理しましょう。
耐暑性 強い
耐寒性 最低5℃を下回らないように
注意点 葉っぱが多く、新陳代謝でポロポロと落ちるため、お手入れをこまめに行いましょう。

ガジュマルに関するよくある質問

ガジュマルが「幸せを呼ぶ木」といわれる理由は?

沖縄地方では「神が宿る木」として、昔から親しまれているガジュマル。現地では防風林や防潮樹の役割があり、人々の生活を守る木として植えられています。さらに、玄関のそばに植えると「魔除け」の風水効果があり、幸運を招き入れるパワーがあると信じられているようです。

そのため、「幸せを呼ぶ木」と呼ばれ、現在でも観葉植物として室内に飾れば、ガジュマルの高い風水効果を期待できるといわれています。

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