観葉植物の葉水(霧吹き)の適切なやり方と注意点について
観葉植物のお手入れについて調べていると見かける「葉水(はみず)」という言葉。観葉植物にとって大切なお手入れのひとつと言われています。
実際、葉水を行うと観葉植物が生き生きとするだけでなく、乾燥防止や防虫効果も得ることができるなど多くのメリットがあります。
しかし「葉水は必ず行わなくてはいけないのか」「どのように葉水をおこなえばよいのか」など気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、葉水という言葉を耳にしたけど実際どうすればいいのだろうと感じている方へ葉水の基本から注意点まで詳しく解説していきます。
まだ葉水を行ったとこがない方も、是非正しい葉水の方法をマスターしてさらに艶やかで美しい観葉植物を育てましょう。
花言葉 | 夫婦愛 |
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初心者向き | 初心者にも育てやすい植物です |
日当たり | 日光を好みます。お部屋の中でも明るい場所で管理しましょう。 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 最低5℃程度 |
注意点 | 直射日光は葉焼けの原因になるので、日向に置く場合はレースカーテン越しがベター。寒さに強いわけではないので、冬は寒くなりすぎない場所に置くように注意しましょう。 |
関東圏の花屋で4年間フローリストとして勤務。フラワーアレンジメント、鉢物、観葉植物、胡蝶蘭などの取り扱いを学び、現在は自宅で生け花や観葉植物を楽しむ。要望に応じたお花のご提案と、渡す方へのイメージを大切にしています。趣味はカメラ、読書、お散歩など。好きはお花はカンガルーポーとトルコ桔梗。
葉水を行うことで得られるメリット3つ
葉水とは霧吹きなどで観葉植物の葉っぱに水分を与えることです。葉水をすると乾燥を防げるだけでなく、防虫効果や生長を促進させる効果もあります。
葉水をしないと枯れるということはありませんが、気づいたときにしてあげるとより元気な株に育てることができます。まずは葉水が観葉植物にもたらすメリットからご説明していきます。
乾燥を防ぐ
観葉植物は根から水を吸い上げるだけでなく、葉っぱからも水を吸収することができる植物です。葉に適度な水分を与えることによって葉が潤い、乾燥を防ぐことができます。
特に、秋から冬にかけての寒くなる時期は特に乾燥しやすくなります。加湿器を使用することもおすすめですが、エアコンや湿度が低く乾燥しやすいお部屋の場合は定期的な葉水が効果的です。
汚れを落とす
葉水をすることで、葉の汚れ(植物の分泌物やホコリ)を落とす効果もあります。
葉が大きい観葉植物は、特にホコリが溜まりやすく、知らず知らずのうちに葉の美しさが損なわれてしまう場合も。
霧吹きで葉水をしてから、優しくなでるように葉を布で拭いてあげることで葉の汚れを落とし、光合成を活発にすることができます。
モンステラやウンベラータなど、葉が大きい観葉植物はお手入れもしやすく、葉水を行うことでよりツヤのある印象的な葉っぱにすることができます。
害虫を寄せ付けない
葉水は乾燥や汚れを落とすだけでなく、特に大きなメリットが防虫効果です。
観葉植物の大敵であるハダニやカイガラムシという害虫は、乾燥を好みます。また一度虫がついてしまうと、除去が大変なので日ごろから葉水をして害虫を寄せ付けないことが大切です。
もし、小さなハダニが葉についてしまっても初期の段階であれば、葉水をしてから布でふき取ることで除去することもできます。
効果的な葉水のやり方のポイント
では実際に、どのように葉水を行えばよいのでしょうか。
葉水は水やりと違い補助的なお手入れなので、必ず守らないといけないルールというものはありませんが、知っておくとより効果的に葉水ができるポイントがいくつかあります。
用意するものは霧吹きのみなので、まずは気軽に葉水を行いながらコツをつかんでいきましょう。
午前中に1日1回が目安
葉水は毎日行ってもよいくらい観葉植物にとって大切なお手入れです。午前中に1日1回を目安に与えてみましょう。
しかし、必ず毎日やらなければいけないわけではないので、気づいたら葉水をするくらいの気持ちでも大丈夫です。
「週に1度、葉水と合わせて布で葉を磨く」「毎日出勤前にさっと葉水をする」などご自身の生活スタイルに合わせて無理のない範囲で行いましょう。
水の量は滴らない程度に
水の量は、葉が潤う程度に吹きかけましょう。観葉植物の大きさにもよりますが、葉から水が零れ落ち床が濡れてしまうほどの水を与える必要はありません。
葉の近くに霧吹きをするのではなく、全体的に霧がいきわたるようなイメージで少し葉から離した位置から霧吹きをしましょう。
細かな霧が出るタイプの霧吹きを使うと、床も濡れにくく、まんべんなく水を与えることができるのでオススメです。
葉の裏側にも葉水をすると効果的
つい葉の表面だけお手入れしてしまいがちですが、葉の裏側にも葉水をするとより効果的です。特に害虫対策にはしっかりと裏側まで葉水をしましょう。
その際は、幹や根本の部分にできるだけ水分がつかないように注意して行うようにしましょう。あくまで水分を与える部分は葉っぱです。土が常に湿った状態を避けるように気を付けることがポイントです。
カルキで葉が白くなったら拭き取る
葉水をしているとカルキなどの影響で葉についた水滴が白くなることがあります。水滴の乾きあとや、植物自体の分泌物などで白く見える場合もあるので、葉が不健康というわけではありません。
しかし、白い汚れをそのままにしておくと取れにくくなってしまいますので、すぐに優しくふき取ることを意識しましょう。
夏や冬は時間帯に注意する
夏場の暑い時期は日中の気温が上がるときに葉水を行うと、水分がお湯のようになってしまい、葉っぱが痛む原因になってしまうこともあります。水やりと同じように葉水も夏場は朝方や夕方の涼しい時間帯に、冬は日中の暖かい時間帯に行いましょう。
葉水はいらない?本当のところは?
ここまで葉水のメリットややり方についてご説明してきましたが、「本当に葉水は必要なの?」と疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、葉水を行わなくても観葉植物を育てることはできます。しかし、余裕があればしてあげたほうが良いお手入れです。逆に葉水をしないほうがよい観葉植物もありますので詳しく説明していきます。
葉水をしなくても、枯れることはほぼない
お水のあげ忘れと違い、葉水をしなかったことが原因で枯れることはほぼありません。
葉水はあくまで補助的な+αのお手入れというイメージです。
ただし、根腐れを起こしているような観葉植物は根から吸い上げる力が弱っているので、葉水はとても効果があります。
適度に希釈した栄養肥料を霧吹きで与えることで、葉から栄養を補給することもできるので観葉植物が弱っていると感じたら試してみるのもよいでしょう。
植物のコンディションを保つためにも、時間があればやってあげるべき
水やりで精一杯という方は、無理に葉水をしなくても大丈夫ですので安心してください。
まずはしっかりと水やりをし、観葉植物との生活を楽しみましょう。せっかく癒されたいと思って購入した観葉植物も、お手入れが面倒に感じてしまっては残念です。
基本の水やりにも慣れて、余裕がでてきてから葉水をはじめてみるのもひとつの方法です。ツヤツヤの葉っぱを保つことのできる葉水は、やってみると案外楽しいお手入れのでもあるので、観葉植物を育てる楽しみのひとつにもなります。
葉水の必要がない植物「サボテン・多肉植物」
なかには、葉水を必要としない観葉植物もあります。代表的な植物が「サボテンや多肉植物」です。
観賞用として販売されている観葉植物の多くは熱帯地域で自生している植物のおり、基本的には湿度を好むためどの観葉植物にも葉水は効果的です。
しかし、サボテンや多肉植物などの乾燥地帯で育つ観葉植物は葉水の必要ありませんので注意しましょう。体内に水分をため込む力があるので乾燥気味に育てましょう。
葉水がさらに楽になる便利グッズ
基本の水やりや葉水をおこなっていると、さらに道具にもこだわりがでてくると思います。
霧吹きひとつとっても様々な種類が販売されていますが、葉水にオススメなのは細かい霧が出るタイプの霧吹きです。いつくかご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
床が濡れにくい霧吹きUervotonの「スプレーボトル」
Uervotonのスプレーボトルは、非常に細かい霧を出すことができるので、霧が1ヶ所に集中することなく葉水できるのが魅力です。
毎日葉水をする場合は、霧吹きのデザインも重要です。Uervotonのスプレーボトルはデザインもスタイリッシュなので、出したままにして置いてもインテリアによくなじみます。おしゃれな方にぴったりな、葉水をするのが楽しくなる霧吹きです。
葉の裏側にも葉水しやすいマルハチ産業の「ザ・スプレー ロングノズル付」
植物のプロにも使用者が多いマルハチ産業の「ザ・スプレー ロングノズル付」です。
「振り子ホース」と呼ばれるホースを採用し、本体を逆さまにしても、スプレーが可能となっています。どんな角度でもしっかりと霧吹きができるので、葉の裏も葉水しやすく、まんべんなく葉水できるというメリットがあります。
お値段もお手頃なので、本格的にお手入れしたい方はこちらの霧吹きがオススメです。
葉が白くなってしまう場合に葉面洗浄剤の「リーフクリン」
葉水を与えていると、葉に白い汚れがついてきます。そんなときにおすすめなのが、葉面洗浄剤の「リーフクリン」です。
葉の表面にスプレーするだけで汚れを落とし、さらにホコリもつきにくくなる効果があります。
白くなった葉を1枚1枚ふき取る作業も必要ないので、葉の表面が白くなっていたり、くすんで見えると感じたら使ってみるのがオススメです。
葉がさらに生き生きと見え、植物本来のツヤを取り戻すことができます。
まとめ
ここまで観葉植物の葉水についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは
- 葉水には乾燥防止・防虫効果・汚れ防止など様々なメリットがある
- 葉水は午前中に1日1回、葉っぱが湿る程度の水を与える
- 葉水をしなかったからといって枯れるわけではないが、葉水をすることで観葉植物が元気に育ちやすい
ということです。最初は面倒と感じるお手入れかもしれませんが、葉水は観葉植物にとってメリットがたくさんあります。
実際にやってみると意外と簡単なので、お手入れを重ねるごとにさらに観葉植物に愛着が沸いてきます。
是非余裕があるときは葉水を取り入れて、より観葉植物を健康に保ちましょう。
観葉植物の葉水に関するよくある質問
午前中に1日1回程度、葉が湿る程度に行いましょう。毎日しなくても枯れることはないので、「週に1度、葉水と合わせて布で葉を磨く」「毎日出勤前にさっと葉水をする」などご自身の生活スタイルに合わせて無理のない範囲で行いましょう。
サボテンや多肉植物など、乾燥地帯で育つ観葉植物は葉水の必要ありません。
通常のスプレーボトルより、細かな霧が出るタイプの霧吹きは床が濡れにくくオススメです。移動させることのできる観葉植物はシンクや浴槽で行うのもよいでしょう。
葉水だけで育つ観葉植物はありません。あくまで葉水は補助的なお手入れのため、基本の水やりをしっかり行ったうえで葉水をしましょう。
関東圏の花屋で4年間フローリストとして勤務。フラワーアレンジメント、鉢物、観葉植物、胡蝶蘭などの取り扱いを学び、現在は自宅で生け花や観葉植物を楽しむ。要望に応じたお花のご提案と、渡す方へのイメージを大切にしています。趣味はカメラ、読書、お散歩など。好きはお花はカンガルーポーとトルコ桔梗。