観葉植物につく虫|駆除方法や予防法について

室内に観葉植物を置くと、いつ間にかコバエが飛び回っていたり、ハダニやカイガラムシといった害虫が葉に付いていたりすることがあります。虫によって観葉植物が枯れてしまわないか、さらには人やペットにも影響が起きないのかなど、不安や不快感を感じることもあると思います。

「観葉植物に発生する主な虫」によって、人やペットに直接影響することは少ないですが、植物にとっては大きな打撃となる場合も。放置することで被害がさらに広がり、多くの観葉植物が元気に育たなくなることもあるので、見つけ次第すぐに対処することが大事です。

では、どのように対処して駆除するべきなのか。または、どうすれば観葉植物に虫が付かなくなるのか。

今回は、観葉植物に付く虫の種類とその駆除方法について解説します。さらに害虫が発生する原因、予防方法、害虫が付きにくい観葉植物など、たっぷりと紹介します。

目次

観葉植物に付く虫の種類と駆除方法

観葉植物に付く虫には、葉の養分を吸汁して植物を弱らす害虫がいます。被害にあった植物は、美しい葉や花を出しにくくなり、出したとしても奇形な姿になる場合もあります。そのため、すぐに補殺する必要があります。

しかし観葉植物に付く虫は、全てが害虫とは限りません。中には植物が育つ環境を良くし、生長を助ける役割をもつものもあります。虫が付いていたらすぐに補殺するのではなく、まずはどんな虫なのか確認してみるといいでしょう。

また、害虫を発生させないためには、虫の生態についても知ることが大切です。ここでは、観葉植物に発生しやすい害虫の種類とその特徴と駆除方法について紹介します。

  • ハダニ
  • カイガラムシ
  • アブラムシ
  • コバエ
  • トビムシ

ハダニ

ダニのように小さくて、糸を張ってコロニー(生物集団)を形成するハダニ。クモの仲間といわれますが、益虫には分類されず、植物を弱らす厄介な害虫です。ホコリが積もるような静かな場所に住み着くことが多く、葉に口針を刺して養分を吸い取とり、植物の生長を阻害します。

ハダニは、比較的乾燥した場所を好み、気温が高くなると繁殖スピードが早くなるため、気づいたときには大量に増えていることも。被害にあった葉は黄色く変色したり、奇形になってしまったり、さらには全体に広がって落葉する場合もあります。大量に発生してしてしまうと、徐々に株が枯れてしまいます。

筆者の経験では、サトイモ科の植物(サトイモ)や、パキラなどの観葉植物に発生することが多かったです。

駆除方法

ハダニが発生した場合は、すぐに水で洗い流すのがおすすめです。葉の表裏を丁寧に一枚一枚手で軽く擦るように洗い、ハダニを全て除去します。植木鉢が大きくて洗いにくい場合は、湿らしたタオルなどで拭き取るといいです。

密集させるように糸を細かく張るため、袋状になった巣をつくることがあります。スプレータイプの薬では散布した液が届きにくく、効果があまり期待できないかもしれません。

カイガラムシ


カメの甲羅のようなものを担いだものや、小さなダンゴムシやワラジムシのような姿をしたカイガラムシ。世界に約400種類以上の品種が確認されている虫で、最も被害が多い害虫かもしれません。特に観葉植物に付きやすいカイガラムシは「カタカイガラムシ」と「コナカイガラムシ」の2種類です。

ハダニと同じように吸汁性の害虫で、観葉植物の葉・茎・枝・幹に付き養分を吸い取ります。基本的に成虫は固いカラに覆われていて、成長するにつれ固くなります。そのため、成虫のカイガラムシは薬が効きにくく、駆除するのが困難です

カラが黒いカタカイガラムシは、成虫になると足が退化して葉や枝にへばり付くように硬くなります。そして、白い粉が吹いて綿毛のような姿になるコナカイガラムシは、成虫になっても歩き回り続け、葉の付け根など隙間に集まってコロニーを形成していることがあります。

駆除方法

放置すると駆除が難しくなるカイガラムシは、できるだけ固いカラがない幼虫の時期までに見つけて補殺するのがベストです。しかし、幼虫を見つけた場合は、すでに親が住み着いている可能性が高く、幼虫だけを補殺しても根本的な解決にはつながらないこともあります。

ハダニよりも全てを取り除きにくく、かなり厄介な害虫です。水で洗い流したり、湿らしたタオルで拭き取ったりしたあとに、もう一度注意深く観察しましょう。葉の付け根の隙間や葉脈の脇などに潜んでいることが多いので、集中的に観察し、見つけた場合はピセットや歯ブラシで取り除きます。

取り除きにくい場合は、薬の散布をするのがいいかもしれません。

筆者はコルジリネ・シャーベットにコナカイガラムシが何度も発生したことがありました。葉の付け根の隙間奥に成虫が潜んでコロニーを形成していましたが、水やピンセットでは駆除できませんでした。そのため、葉を取り除いて、カイガラムシの巣をむき出しにして駆除をすることもありました。

アブラムシ


畑や庭でよく見られるアブラムシは、吸汁性の害虫です。室内で育てる観葉植物に付くことはあまりありませんが、まれに風で飛んできて窓から侵入したり、衣類に付いて侵入したりすることもあります。しかし、アブラムシは交尾や受精をしなくてもメス一匹で増えることができるため、放置するのは危険です。

アブラムシは、比較的植物の新芽や花芽に付いて、生長点である新葉や新芽の養分を吸汁します。大量に発生すると縮れたような変形した新葉や花が出てくるため、植物の見た目が悪くなるだけでなく生育にも障害が起きる場合も。

また、おしりから甘い分泌液でアリを誘引し、テントウムシなどの天敵を追い払ってもらう特性をもちます。分泌液は排泄物でもあるので、場合によっては植物が「すす病」にかかることもあります。アブラムシはウイルスを媒介することもあり、植物から植物へ移ると感染が拡大する場合も。見つけ次第必ず補殺しましょう。

駆除方法

アブラムシが数匹発生している場合は、ピンセットや歯ブラシで取り除きます。大量の場合は水で洗い流し、タオルで拭き取るといいです。

それでも駆除しきれないようであれば、スプレータイプの薬剤を散布して駆除しましょう。

コバエ


観葉植物で特に発生することが多いコバエ。観葉植物に害はなくても、大量に発生し部屋の中を飛び回っていると不快感を感じます。

基本的に観葉植物に発生するハエは、キノコバエとチョウバエと呼ばれるハエがほとんど。土の表面に卵を産むため、有機質な土があれば発生する可能性が高くなります。

またコバエは比較的、気温が20℃ほど、湿度が70%ほどになると発生することが多く、梅雨時期に多く見られる害虫です。

コバエの一生は約2〜3週間といわれていますが、1回の産卵で200〜300個の卵を産みことができます。幼虫は14日間ほど土の中にいるため、この時期に殺虫するのが効果的です。

またノミバエ・ショウジョウバエ・チョウバエは、有機物の多い汚れて湿った場所を好みます。キッチン・トイレ・浴室・洗面所など水気のある場所にもよく発生するので、観葉植物の周りだけでなくほかの部屋にも対策が必要です。

駆除方法

室内に飛び回るコバエは、トラップを仕掛けて駆除するのが最適です。市販で購入できるトラップや、めんつゆ・食器洗剤を混ぜた自家製のトラップでも大量に駆除できます。

しかし、鉢の中にはコバエの幼虫が潜んでいることが多いです。土の表面をカラカラに乾かして数日放置するか、水を張った容器に沈めて駆除しましょう。

トビムシ

土の中には、小さなアリのような姿をしたトビムシが潜んでいます。トビムシは植物に悪さをする害虫ではなく、植物が育つ環境を良くする益虫です。ミミズのような役割があり、枯葉や虫の死骸など有機物を食べて、土の状態を良くすることができます。

筆者がいるカナダなど、海外ではトビムシを販売しているところも多く、テラリウムやバリダリウム、さらには温室の中に入れて、環境の改善を図ろうとする人がいます。

気になければ特に何もせずに、そのままにしておくのもいいかもしれません。

駆除方法

植物が育つ環境を良くするトビムシですが、人によっては見た目が気持ち悪いと思う方もいると思います。室内の観葉植物だからこそ、虫を入れたくないと思うこともあるでしょう。

もし駆除をしたい場合は、土を全て取り除き、赤玉土など新しい無機質な土に取り替えるのがおすすめです。または、鉢を水に沈めて駆除するのも効果があります。

観葉植物に害虫が発生する原因

どうして観葉植物に害虫が発生するのか、疑問に思う方もいると思います。発生する原因はさまざまですが、主な原因は以下の6つかもしれません。

  • 購入時にすでに害虫が付いていた
  • 害虫が屋外から室内へ侵入した
  • 日当たりと風通しが悪い
  • 室内の乾燥と過湿によって
  • 肥料の与え過ぎ
  • 土の質が悪い

このあと、6つの原因について詳しく解説します。

①購入時にすでに害虫が付いていた

グリーンハウスなど、屋外で販売されている園芸店で購入する観葉植物には、小さな虫やその虫の卵などが葉・茎・枝・幹・根・土に付いていることもあります。そのため、すでに害虫が付いていた観葉植物を購入し、そのまま気づかずに自宅に持ち込んだかもしれません。暖かい室内では、害虫はさらに繁殖しやすく大量に発生する場合もあります。

②害虫が屋外から室内へ侵入した

目で確認しにくい小さなハダニやアブラムシは、まれに家の外から侵入することがあります。外出先から帰宅したしたとき、衣類やカバンなどに付着していた害虫が室内に侵入し、観葉植物に付いて繁殖することもあります。

また、羽を持ったコバエやアブラムシなどは、風に流されてドア・窓の隙間から侵入する場合も。

さらに、ナメクジやゴキブリなどは、排水溝やダクトを伝って侵入することもあります。

③日当たりと風通しが悪い

日当たりや風通しが悪い部屋で観葉植物を育てていると、害虫が付きやすくなります。植物が乾燥しやすく、風も吹かないためハダニやカイガラムシ、さらにはアブラムシなど多くの害虫が付きます。

また、日当たりや風通しが悪い場所では植物が光を確保できず、効率良く光合成をしにくいため、害虫に狙われやすい弱い株に生長する場合も。

植物は、根から栄養が取りにくい不健康な状態が続くと、葉をコーティングしている「クチクラ層」が弱くなったり、免疫力が落ちたりします。次第に害虫が集まりやすくなり、葉の栄養を吸汁して株を枯らすこともあります。

④室内の乾燥と過湿によって

害虫は、比較的気温が暖かくてじめじめした湿気の多い場所、または極端にカラッと乾燥した場所を好みます。

室内に侵入したコバエは、鉢の中が湿っていると、土の中に卵を産み付けて繁殖します。じめじめとした場所では土が乾きにくく、いつまでも湿った状態が続くため、コバエが大量に発生する可能性が高いです。

反対に土がカラカラに乾いてしまうと、植物が乾燥しアブラムシやハダニが付きやすくなり、放置していると繁殖している場合もあります。

⑤肥料の与え過ぎ

腐葉土・油かす・魚粉など、動植物の残骸を発酵させてできた有機肥料は、天然オーガニックで栄養満点ですが、害虫たちが大好きなエサです。たくさん与え過ぎてしまうと、肥料の匂いが強くなり、コバエなどの害虫が寄り付きやすくなることもあります。

また、化学肥料でも窒素(N)成分が多く含まれたものは害虫が集まりやすいです。窒素の中に含まれている成分が、害虫の好む味や匂いといわれています。

⑥土の質が悪い

長く使い古いした土や安価な土は、消毒など下処理が不十分なため、コバエの卵が入っている可能性が高いです。使い始めてしまうと、暖かい室内でふ化し、大量に繁殖する場合もあります。

どうしても使いたい場合は室内に持ち込むのは避け、屋外の鉢植えに使うようにしましょう。

害虫が付きにくい観葉植物

害虫が付きにくい観葉植物を選ぶなら、葉に虫が寄り付きにくいものだけでなく、乾燥に強くて、水やりが少ないものがおすすめ。土が湿っていると、コバエが寄り付きやすいので、乾燥させて

  • アグラオネマ・シルバークイーン
  • ドラセナ・マルギナータ
  • ザミオクルカス・ザミフォーリア
  • サンセベリア・ゼラニカ
  • アロエベラ

①アグラオネマ・シルバークイーン

USDA zone 10a(-1.1〜1.7℃程度まで耐えられる)
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
水やり 春・秋:月1〜2回
夏:月2〜3回
冬:月0〜1回
肥料 N:P:K=10:10:10(花が咲いた場合はリン酸を多めにするのも良い)
剪定 2〜4年に1回(株分け)

先端がしゅっと細くとがった薄い濃緑の葉に、シルバーの斑が大きくまだらに入るアグラオネマ・シルバークイーン。生長すると、生き生きとした鮮やかな葉がたくさん展開し、こんもりとした大きな株になります。カラーリーフの中でも色鮮やかなので、インテリアとして置けば、印象のある空間を演出してくれます。

アグラオネマ・シルバークイーンは、ふかふかの土がたくさん入った大きめの鉢で育てれば、水やりを欲しがる頻度が減ります。目安としては、葉が下に垂れているときや、月に1〜2回ほどで問題ありません。

日陰に耐性があり、日当たりの悪い場所で育てていても、葉の色味が悪くなりにくいです。株の下から葉が茶色く枯れるので、園芸のはさみを使って取り除きましょう。

ワンポイントアドバイス

USDA Plant Hardiness Zoneとは?

United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。米国農務省が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone

②ドラセナ・マルギナータ

温度 8b〜12b(-9.4〜-15.6℃程度まで耐えられる)
耐寒性 やや強い〜弱い(品種によって異なる)
耐暑性 強い
水やり 春・秋:月1回
夏:月1〜2回
冬:月1回
肥料 N:P:K=10:10:10
剪定 3〜4年に1回

地面から軽やかな曲線を描くように灰色の幹が伸び、先端部から赤い斑が縁(ふち)に入った光沢のある細長い葉がふわりと展開するドラセナ・マルギナータ。スリムでスタイリッシュなたたずまいがかっこ良く、すっと高く立ち上がった幹の先の葉は、涼しげな印象があります。

マダガスカルに自生するドラセナ・マルギナータは、極端な乾燥を嫌い、多湿な場所で元気良く育ちます。1年を通して半日陰になる場所に置き、定期的に葉水を行いましょう。葉にホコリやチリがたまりにくくなり、生長不良を起こすこともなくなります。

もともと害虫が寄り付きにくい観葉植物ですが、葉をきれいにしてあげるとより被害にあいにくくなり、美しいたたずまいを観賞できます。

③ザミオクルカス・ザミフォーリア

USDA zone 9a(-6.7〜-3.9℃程度まで耐えられる)
耐寒性 やや強い
耐暑性 強い
水やり 春・秋:月1〜2回
夏:月2〜3回
冬:月0〜1回
肥料 N:P:K=10:10:10
剪定  2〜4年に1回(株分け)

先端がしゅっと尖った楕円形(だえんけい)の厚みのある光沢の葉が美しいザミオクルカス・ザミフォーリア。ゆるやかな放物線を描くように伸びる太い茎から、空へ向いた葉が一直線に展開する姿が美しく、部屋のインテリアアイテムになります。育て方も簡単なので、観葉植物の中でも人気の種類です。

ケニアや南アフリカの砂漠地帯に生息するザミオクルカス・ザミフォーリアは、暑さや乾燥にとても強く、葉焼けや水切れを起こしにくいです。

また、比較的葉や茎に虫が付くことがあまりなく、株が弱ってしまうこともあまりありません。ただし、風通しが悪過ぎると、まれにカイガラムシが葉に付くことも。できるだけ、窓やドアを開けて空気の流れをつくり、風通しを良くしましょう。

④サンセベリア・ゼラニカ

USDA zone  9a(-6.7〜-3.9℃程度まで耐えられる)
耐寒性 やや強い
耐暑性 強い
水やり 春・秋:月1〜2回
夏:月2〜3回
冬:月0〜1回
肥料  N:P:K=10:10:10
剪定 2〜4年に1回(株分け)

空へ真っ直ぐと伸びる剣のような多肉質な葉に、シマウマのような模様が入るサンセベリア・ゼラニカ。地面から軽やかに伸びるスタイリッシュな葉がクールで、直射日光に当たる場所に置いておくと、より白い模様が濃く浮かび上がります。横に広がりにくいので、スペースを無駄に広くとってしまうこともあまりありません。

熱帯アフリカからマダガスカルにかけて生息するサンセベリア・ゼラニカは、生命力がとても強く、「枯らすのが難しい観葉植物」といわれることもあります。寒さや暑さでは枯れにくく、少し管理を怠ってしまっても株が枯れることは少ないです。

また、病害虫の被害にあいにくく、薬の散布など管理の手間がかかりません。ただし、ホコリが葉にたまりやすいので、ハンドモップなどを使って定期的に掃除をしましょう。

⑤アロエベラ

温度 8b(-9.4〜-6.7℃程度まで耐えられる)
耐寒性 強い
耐暑性 強い
水やり 春・秋:月1〜2回
夏:月2〜3回
冬:月0〜1回
肥料 N:P:K=10:10:10
剪定 2〜3年に1回

地面から螺旋(らせん)を描くように、ノコギリ状の縁をもった分厚い多肉質な長い葉を広げるアロエベラ。ぷにぷにとしたやわらかい葉には、比較的虫が寄りつきにくく、害虫の被害にあうことが滅多にありません。丈夫で枯れにくく管理がしやすくて初心者におすすめです。

アラビア半島や北アフリカが原産といわれるアロエベラは、直射日光がよく当たる場所で元気よく育ち、時期を迎えると、美しい黄色い花を咲かせることもあります。

ただし、極端に体内の水分が過剰に不足すると、葉が薄くなったり、張りがなくてやわらかくなったり、さらには、下の葉から茶色く枯れていく場合も。葉が薄くなっているときや、やわらかくなっているときは、たっぷりと水を与えましょう。

また、生長すると葉が横へ長く伸び、株が重たくなります。プラスチック製など、軽い鉢や安定感の悪い鉢では倒れてしまう場合もあるので、できるだけ重量のある鉢や、安定感のある鉢に植えるといいです。

観葉植物に付く害虫を室内に発生させないための予防方法

観葉植物のケアをきちんと行っていても、目に見えにくい害虫は発生することもあります。しかし、あらかじめ予防対策をしておくと、害虫が発生する率や量を減らすことができます。

ここでは、害虫を室内に発生させないための7つの予防方法を紹介します。

  • 観葉植物の購入後は、定期的に株をきれいにする
  • 有機質を使った土や肥料の匂いをカバーする
  • 木酢液や忌避剤を散布しておく
  • 植木鉢・受け皿を清潔に保つ
  • 日当たりと風通しが良い場所で管理
  • 葉水を行う
  • 害虫が付きにくい観葉植物を置く

暖かい室内であれば、1年を通して発生することもあるので、できるだけ早めに対応することが大事です。

Point1. 観葉植物の購入後は、株をきれいにする

観葉植物の購入後は、できるだけ葉についたホコリやゴミをきれいに取り除いてから、室内に飾るようにしましょう。

葉の表裏には虫が付いている可能性もあるので、ハンドモップやタオルで拭き取ったり、水やりの一環としてシャワーで洗い流したりすると害虫も取り除けます。

また、外出先から帰宅したときは観葉植物だけでなく、自分の身に付けている衣類やカバンに付着したホコリなどを払ってから、部屋に入るようにしましょう。害虫の予防にもなり、観葉植物に付きにくくなります

ショップで見て購入するときは、きれいな植物を選ぶことがポイントです。

Point2. 有機質を使った土や肥料の匂いをカバーする

観葉植物の鉢の表面には、ココナッツファイバーや赤玉土などを敷き詰めて、土の匂いがでないようにカバーするのがおすすめです。

コバエは、土の匂いによって鉢に集まりやすく、土の表面から2〜3cm下に卵を産みつけ繁殖します。カバー材を3〜5cmほどの厚みになるように敷き詰めれば、コバエが鉢の中に侵入しにくく、大量に発生することも少なくなります。

ただし、土が乾きにくくなるので、なるべく風通しが良い場所で観葉植物を管理しましょう。

また、赤玉土やハイドロカルチャーなど、無機質な土を使えばコバエなどが発生することもなくなります。

Point3. 木酢液や忌避剤を散布しておく

匂いに敏感な害虫は、ハーブや木酢液(もくさくえき)が苦手です。

土壌改良や植物の生長促進として使われる木酢液は、あらかじめ土に吹きかけておくことで、害虫予防の効果を得ることができます。木酢液の独特の匂いによって、忌避剤となり害虫が寄り付きにくくなります。葉にも散布しておくと、葉のコーティングとなるクチクラ層が強固になり、ハダニやアブラムシなどの害虫に強くなります。

ただし、木酢液の匂いは強烈です。くんせいのような匂いがするので、あまりたくさん吹きかけないようにしましょう。屋外で散布後は、しばらく放置してから室内に取り込むといいです。

Point4. 植木鉢・受け皿を清潔に保つ

観葉植物の株・鉢・受け皿は、常に清潔に保ちましょう。

観葉植物は、ハンドモップなど使ってホコリやゴミを取り除き、普段からきれいにしておくことが予防につながります。植木鉢やその周りは、タオル・モップ・掃除機をかけて掃除をします。

また、鉢の表面に落ちた葉や花は、しっかりと取り除いてきれいにしましょう。水やりのあとに受け皿や鉢バーにたまった水は、放置せずに処理することも忘れないようにしてください。

汚れたままでは衛生的に悪く、害虫が寄り付きやすいです。また、カビによって観葉植物が病気にかかることもあるので、普段から鉢とその周辺は、清潔に保つように心がけます。

Point5. 日当たりと風通しが良い場所で管理

暗くてじめじめした場所や、カラカラに乾燥する場所に害虫は発生しやすいので、観葉植物は日当たりと風通しが良い場所で育てましょう。風が吹かない静かな葉の上や湿った土の中で、害虫は住処をつくり繁殖します。害虫が住みにくい環境づくりが大事です。

ただし、直射日光が当たる場所だと、観葉植物が葉焼けを起こす場合も。直射日光が差し込む場合は、カーテンやブラインドで遮光した窓辺やドアの入口近くに置くようにしましょう。

また、部屋の窓やドアを締め切ったままでいると風が流れないので、自宅にいるときは、窓を開けて換気するといいです。

Point6. 葉水を行う

観葉植物には、定期的に霧吹き器を使って葉の表面や裏側に葉水をしましょう。

多くの害虫は水にとても弱いです。日頃から葉の表面などに水が付いていれば、ハダニやカイガラムシなどの害虫は寄り付きにくくなります。

水は少量では効き目があまり感じられないので、葉から滴れるぐらいたっぷりと葉水をしましょう。

Point7. 害虫が付きにくい観葉植物を置く

室内に観葉植物を置く場合は、害虫が付きにくい種類を選んで置くのも1つの方法です。今回紹介した観葉植物のように、もともと害虫が付きにくい品種や、乾燥に強くて水やりが少ない植物がおすすめです。

観葉植物が病害虫に強くなる木酢液

ガーデニングや家庭菜園で使われる「木酢液」は、土壌改良や植物の生長促進のために使われることが多いです。また、強い匂いがあることから、害虫の予防にもなります。

しかし、植物に直接吹きかけることで、害虫や病気の被害にあいにくく、健康的な株に生長させることができます。

木酢木とは

そもそも木酢液とは何か、疑問に思う方もいると思います。

木酢液とは、木を燃やしたときに出る蒸気を集めて液化し、それを醸造して取りためたものです。200種類以上の有機酸が含まれるため酸性を示し、数パーセントのアルコールを含みます。そのため、殺菌作用や浸透作用をもちます。

木酢液と植物

木酢液は、植物が必要とする有効微生物や有効菌のエサとなり、彼らを増やす効果があります。有効微生物や有効菌が増えると、病原菌や植物に悪さをする微生物が増えにくくなるため、植物は健康的に育つことができます。

得られる2つの効果

では、木酢液を観葉植物に吹きかけると、どんな効果が最終的に得られるのか。ここでは、木酢液の効果について詳しく解説します。

  • 観葉植物が病害虫に強くなる
  • 観葉植物の免疫力が上がる

1. 観葉植物が病原に強くなる

はじめに、病原菌や植物に悪さをする微生物は、酸化しているものが大好きで、アルカリ性のものが嫌いといわれています。

酸性を示す木酢液ですが、吹きかけたあとに空気に触れることで、アルカリ性に変化する特徴があります。葉の表面に付着したアルカリ性を示す木酢液は、有効菌の好物。次第に増殖しはじめ、葉に付いていた病原菌を追い出します。

葉に付いている有効菌が増殖することで、病原菌が住み着きにくく増殖もできないので、植物は常に健康的な株で生長し続けられるようになります。

2. 観葉植物の免疫力が上がる

基本的に、観葉植物は株が弱ると酸化をするため、病原菌や害虫に襲われやすく、病気にかかりやすいです。例えば、化学肥料をたくさん与え過ぎると、植物が栄養分を消化しきれずに土壌に溜まり、徐々に弱まることがあります。

しかし、木酢液をかけると溜まり過ぎた栄養分を分解し、植物が吸いやすいようにタンパク質やアミノ酸に変えることができます。

タンパク質は有効なミネラルとなり、植物の個体を丈夫にさせます。そして、木酢液の有機酸は葉の糖分と結合し、葉の光沢となるクチクラ層を強くするパワーがあります。

株が丈夫になり、クチクラ層が強固になれば、病害虫に負けない株へと生長することが可能です。

結果:害虫の被害にあいにくくなる

木酢液を観葉植物に吹きかけると、結果的には害虫の被害にあいにくく、弱ったり枯れたりする心配もなくなります。

化学物質を使った薬剤でも、病原菌や悪い微生物を死滅させることはできますが、有効菌も殺してしまうため、植物は健康的には育ちません。病気を再発しやすく、化学薬品を余計に多く使ったり、違う薬を使ったりしないと、効果が効かなくなるため悪循環が生まれやすいです。

定期的に木酢液をかけることで、常に観葉植物を丈夫に育てられ、害虫の被害にも遭いにくい株へと生長させられます。

まとめ|観葉植物に虫が付いたときは確認をする!

最後にまとめとして、観葉植物に虫が付いたときは、どんな種類が発生しているのか確認し、知ることがポイントです。何の虫かがわかれば、発生の原因を突き止めることができ、次に発生させにくくできます。

害虫の場合は木酢液や殺虫剤を散布して駆除

観葉植物に害虫が大量に発生している場合は、木酢液や殺虫剤を散布して駆除するのが1番楽な方法です。数匹程度であれば、水で洗い流したり、タオルやハンディモップなどで駆除しましょう。

放置すると観葉植物が弱る

観葉植物に害虫が発生してしまったときは、発見次第すぐに駆除することが大事です。数日放置しただけで、害虫は大量に繁殖していることが多いです。

ハダニ・カイガラムシ・アブラムシなど、葉の養分を吸って悪さをする害虫は、大量に発生してしまうと観葉植物を弱らせ、最悪枯らしてしまうことも。美しい葉や花も観賞しにくくなるので、放置せずにすぐに対処しましょう。

観葉植物に付く虫に関するよくある質問

観葉植物の葉の裏に付く黒や白いものは何?

観葉植物の葉の裏に着いた、黒や白いものは「カイガラムシ」の可能性があります。成虫になったカイガラムシは、葉に固着して吸汁し続けます。そのため、葉に突起のある病斑にも見え、病気と見間違えることも。
病斑に光沢があれば、カイガラムシの成虫が観葉植物を吸汁しているかもしれません。歯ブラシやピンセットで、葉や茎が傷まないように丁寧に駆除しましょう。

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