モンステラの育て方とおすすめの飾り方について

地面から茶色くて太いつる状の茎が空へ向かって長く伸び、切れ込みの入った巨大な緑の葉を無数に展開するモンステラ。白い斑入りの葉、切れ込みが入らない葉、大きくならない品種など種類も豊富で、さまざまなテイストのインテリアにあいます。トロピカルな印象があり、おしゃれでハイセンスな部屋にコーディネートできる魅力たっぷりな観葉植物です。

生命力が強く、日陰でも枯れにくいので置く場所にも困らず、室内の観葉植物にぴったり。また、風水効果が高く、お祝いのギフトや誕生日プレゼントなどにもおすすめです。

この記事では、モンステラの特徴や魅力について紹介します。さらに、枯らさないための育て方のコツや適切な剪定の時期と方法、室内でのおすすめの飾り方などについても解説します。

モンステラ

花言葉 嬉しい便り、壮大な計画
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です。
日当たり 半日陰の室内でも飼育可
耐暑性 強い
耐寒性 最低10℃程度
注意点 直射日光は葉焼けの原因になるため避ける。

目次

モンステラの基本情報

学名 Monstera
英名 Sprit-leaf philodendron、Swiss cheese plant
別名 ホウライショウ
科名・属名 サトイモ科・モンステラ属
特性・形態 常緑性多年草
樹高 1〜20m
原産地 メキシコ南部からパナマにかけて
USDA zone 10b(1.7〜4.4℃までなら耐えられる)
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
耐陰性 強い
特徴 つる性
花言葉 嬉しい便り、壮大な計画、深い関係、献身
誕生花 9/30、12/15、12/21、12/22

モンステラはメキシコ南部からパナマの熱帯雨林にかけて自生する冬に葉を一斉に落とさない常緑性の多年草です。茎はつるで長く伸びる性質があり、樹木や建築物に巻き付いて大きくなります。多年草といっても自然界では草丈が20m以上伸びることもある大型種ですが、鉢植えであれば大きくなっても2mほどです。定期的な剪定をすることで、コンパクトに仕立てられ、樹形のバランスも良くなります。

モンステラが自生する熱帯アメリカは、「熱帯雨林気候」と呼ばれる地域です。赤道付近のため基本的に暖かい環境で、年間の平均気温は20℃以上です。しかし、日中と朝夕の気温差は大きく、5〜15℃程度もある場所です。

自生地の環境からみると、モンステラは気温が20℃前後になる暖かい場所で育てるのが良いでしょう。気温が35℃超えるような場所や、氷点下を下回る場所では育ちにくく、生長不良を起こして、株が枯れてしまうこともあります。

ただし、寒さには若干耐性があるので、比較的気温が10℃ぐらいまでなら生育的に問題はあまりないです。極端に暑かったり寒かったりする場所では育ちにくいということを踏まえて、ケアをしてください。

また、雨が降る場所でモンステラは良く育つので、比較的多湿な環境を好みます。育てるときは、乾燥させ過ぎないように葉水をしたり、加湿器を使ったりして湿度を高く調節するといいです。

ワンポイントアドバイス

USDA Plant Hardiness Zoneとは?

United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略。米国農務省が開発した、寒さの段階を13のレベルに分け、植物の耐寒性レベルを数値とマップで明瞭化した指標です。造園やガーデニングをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられのかを確認するために使います。日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとにレベル分けされています。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone

モンステラの観賞&手入れの時期

  • 鑑賞期:5〜8月(花)
  • 結実期:9〜10月
  • 植え付け、植え替え:5月中旬〜9月中旬
  • 肥料:5月中旬〜9月中旬
  • 剪定:5月中旬〜9月中旬

モンステラの葉・花・実の特徴

ここではモンステラの葉・花・実の特徴について紹介します。

モンステラの葉・・・直径が人の胴体よりも大きい

地面から茶色の太い茎が立ち上がるように伸び、互い違いに切れ目の入った緑鮮やかな楕円形(だえんけい)の葉を展開するモンステラ。無数の切れ込みが入った大きな葉は、人の胴体よりも大きく、直径は1mほどにもなります。

葉は茎の先端から、くるくると丸まった状態で出てきて、しばらくすると手のように大きく広げます。出始めたころの幼葉は、切れ込みや穴がほぼなく、生長するに目立つようになりなります。

また、学名のモンステラ(Monstera)とはラテン語で「怪物」や「異常」を意味し、無数の切れ込みが入った大きな葉が由来とされています。

モンステラの花・・・肉質なクリーム色

5〜8月ごろにかけて、サトイモ科のモンステラは、ミズバショウとよく似た白い仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉の中心から、クリーム色の肉穂花序(にくすいかじょ)という棒状の花を咲かせます。肉厚な仏炎苞は貝のように花を包み、花からはトロピカルな甘い香りがただよいます。

仏炎苞の直径は30cmほど、花は長さ20cmほどで人の顔ぐらいの大きさになることもあります。

モンステラの実・・・バナナとパイナップルのような香り

仏炎苞に包まれていたモンステラの花は、秋頃になるとトウモロコシのような長い緑の実ができ、時期を迎えると自然に落下します。実の表面は、六角形状の皮が密集するように連結し、熟し始めると自然に裂けてぽろぽろと表皮が剥がれることも。

表皮を全てむくとバナナのような果肉が詰まっており、バナナとパイナップルを合わせたような甘い香りが広がります。果肉の中に緑のお米のような種が、混ざっていることもありますが、そうでない場合もあります。さらに、果肉は食用にもなり、口の中でとろけるようなトロピカルな甘い風味といわれることも。

ただし、モンステラは、「シュウ酸カルシウム」という劇薬に指定される毒を全草に持っています。熟した実であれば毒はほぼないようですが、食べ過ぎは危険です。口にしたときに甘い風味が広がりますがえぐ味があり、極わずかに刺激を感じることもあります。熟し切っていない実を無闇に口にするのは絶対にやめてください。

ちなみに、学名のデリシオーサ(deliciosa)は「おいしい」という意味で、食用となる果実のことを指すようです。

モンステラの花言葉は「嬉しい頼り」「献身」など

モンステラの花言葉は、「嬉しい便り」「壮大な関係」「深い関係」「献身」です。

モンステラの魅力

観葉植物の中でも人気のモンステラは、園芸店、ホームセンター、100均一ショップなどさまざまな場所で購入ができます。基本的に、どこのお店でも購入できるのも魅力の1つです。

ここでは、モンステラの3つの魅力について紹介します。

  • 初心者でも育てやすい
  • 印象深いインテリアになる
  • 風水効果が期待できる

1. 初心者でも育てやすい

つるをどこまでも伸ばし続けて大きくなるモンステラは、生命力がとても強く、初心者でも枯らしにくい観葉植物です。日陰でも育ちやすく、日当たりの悪い場所に長時間置いてもあまり問題はありません。直射日光や乾燥に気を付けて場所を選べば、枯れることも少ないです。

また、つるを切ってもそこから新しい芽が伸びたり、切った茎から新しい根が出たりするので増やすことも簡単です。

2. 印象深いインテリアになる

楕円形の葉に深い切れ込みが入るモンステラ。20世紀半ばの1940〜60年ごろのインテリアとして、とても人気だった観葉植物です。現在では、「ミッドセンチュリーモダン」というインテリアが人気になり、再びモンステラも注目があります。

ビンテージ感がありノスタルジックな雰囲気のあるインテリアによくなじみむ観葉植物ですが、トロピカルな雰囲気が明るいモダンなインテリアにもよくあいます。1鉢あるだけでもより印象深くなり、ハイセンスな部屋に仕上げることもできるでしょう。

3. 風水効果が期待できる

丸みのある葉をたくさん出すモンステラは、風水では「調和の気」とされ、リラックス効果が高く、気を整えるパワーがあるといわれています。寝室などに置けば乱れていた気が整い、快眠のできる穏やかで落ち着いた空間を演出できます。

また、モンステラは、健康運・恋愛運・家族運の風水効果があるといわれることも。家族が団らんできるリビングルームに置けば、家族全員の運気を高めることができ、幸せな家庭を築くことができるかもしれません。

モンステラ

花言葉 嬉しい便り、壮大な計画
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です。
日当たり 半日陰の室内でも飼育可
耐暑性 強い
耐寒性 最低10℃程度
注意点 直射日光は葉焼けの原因になるため避ける。

モンステラの育て方

基本的に難しい管理があまりないモンステラですが、定期的な剪定などができていないと、茎が折れたり鉢が倒れたりすることも。また、育てる場所によっては、冬に防寒対策をしないと株が枯れてしまうこともあります。

毎年どのようなケアをする必要があるのかなど、モンステラの基本的な育て方を知っておきましょう。

ここでは、モンステラの育て方において、知っておきたい7つのポイントを紹介します。

    • 置き場所・・・半日陰になる場所に
    • 用土・・・排水性・保水性の良いものを
    • 水やり・・・土の中を乾かしてから
    • 肥料やり・・・2ヶ月に1回のペースで
    • 剪定・・・2〜4年に1回のペースで
    • 植え替え・・・2〜3年に1回のペースで
    • 病害虫対策・・・風通しを良くする

置き場所・・・半日陰になる場所に

日陰に耐性があるモンステラですが、日光が全く入らず、暗すぎる部屋では育ちにくいです。日光が全く入らない場所に長時間置いてしまうと、茎がひょろひょろと伸びたり、葉の色味が悪くなったりして見た目の悪い姿になる場合も。窓際から少し離し、朝日と日中の光が差し込むような半日陰になる場所に置きましょう。

直射日光が差し込む場合は、カーテンやブラインドで遮光し、日光の強さを調整するといいです。

また、西日の当たり過ぎは、モンステラの茎を徒長させやすく、葉焼けや色変わりを起こす場合もあるので、東や南側の方向の部屋に置きます。

夏と冬の置き場所

暖かくて薄暗い熱帯のジャングルなどに自生するモンステラは、日本の夏と冬にあまり慣れていない植物です。そのため、適切な場所に置かないと夏・冬の光と温度によって、株が弱って枯れてしまうこともあります。夏と冬は、光の入り具合や温度を調節できるように、場所を移動させ、必要であれば夏越しや防寒対策ましょう。

夏は、日中の直射日光が当たらず、風が通り抜けるような場所がいいでので、部屋の中心部当たりに置きます。冬は、暖房の効いた部屋に置き、朝日が直接当たる場所に置くのがおすすめです。

冬の夜は気温が急激に低くなるので、窓際から離し断熱シートやボードを設置して、外気が室内に入ってこないようにしましょう。寒過ぎる場合は、暖房機を付けたり、段ボールに入れて毛布で包んだりして、冬越しをさせます。

また、徐々に光や寒さ・暑さに慣らすことで、モンステラは環境の変化にも負けない、強い株へと生長します。

用土・・・排水性・保水性の良いものを

湿った場所が大好きなモンステラは、排水性と保水性のある土で育てるのがおすすめ。硬くて粘土状になるような土だと根腐れが起こり、株が枯れてしまうこともあります。

6:3:1=赤玉土:腐葉土:ピートモスの割合で混ぜ合わせ、水はけが良くて、完全に乾きにくい用土を作りましょう。

また、無機質な土では、養分がなければ微生物も住んでいないため、肥料で補う必要があります。化学肥料を与え過ぎると植物は「酸化」をし、病害虫の被害にあいやすくなります。悪循環な環境が生まれやすいので、赤玉土などの無機質な土を使う場合は、有機肥料と混ぜて使うといいです。

水やり・・・土の中を乾かしてから

乾燥した場所が苦手なモンステラは、土を完全に乾かさないように水やりをします。水は一度にたっぷりと与えて土にメリハリ(乾燥と湿潤な状態)が付くようにするのがポイント。水をちょろちょろと何度も与えるのでは、土が乾きにくく、鉢が熱くなったときは、根腐れを起こしてしまう場合も。月に3〜4回程度の水やりで大丈夫です。

また、園芸において「日中に水やりをする」ことは、やってはいけないことの1つとされています。日中の水やりは、太陽の光によって鉢の中が高温多湿な環境にになりやすく、根を傷めやすくなります。高温多湿な環境が大好きなモンステラですが、日本の真夏は35℃を超えることが多く、水やり後に窓際に置いていると暑過ぎて株に大きなストレスを与えやすいです。

できるだけ、気温が低い午前中に水やりを済ませ、午後に水切れを起こさないようにしてあげましょう。

夏と冬の水やり

基本的には湿り気のある土でよく育つモンステラですが、夏と冬では少し水やりのタイミングと回数を変える必要があります。

夏の場合は乾燥した状態が長く続かないように、土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えます。冬の場合は、湿った状態が長く続かないように、土の中が乾いてから3日後ぐらいに水をたっぷりと与えるようにしましょう。

また、冬は水やりを極力控えると樹液が濃くなり、寒さに耐性が強くなります。

肥料やり・・・月に1回のペースで

大きな葉を次々と伸ばし、花が咲くこともあるモンステラには、定期的に肥料を与えた方がよく育つので、年に3〜4回程度肥料を与えます。暖かくなって生長期を迎える5月中旬〜9月中旬ごろにかけて、月に1回のペースで緩効性化成肥料を与えましょう。窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)のバランスの取れた観葉植物用の肥料を与えるといいです。

ただし、与え過ぎは生長の流れに勢いがつき、生長スピードもさらに早くなってしまうので、決められた量を守って与えてください。

また水を与えるときには、活力剤も一緒に与えて健康的な株に育てましょう。肥料ではないので、与え過ぎても問題はあまりなく、定期的に与えるのがおすすめです。

元気がないときや、夏越し・冬越しをするとき、さらに植え替えや剪定をしたあとなどにも与えると枯れにくく、たくさんの美しい大きな葉が観賞できます。

剪定・・・2〜4年に1回のペースで

生長スピードが比較的早いモンステラは、放置すると見た目が悪くなるだけでなく、大きくなり過ぎて草丈が3mを超えてしまうことも。室内の観葉植物として鉢植えで育てている場合は、2〜3年に1回のペースで剪定しましょう。根が鉢から出てしまったときや、枝葉が混み合ったりしたときにも剪定をするといいです。

モンステラの適切な剪定時期は、5月中旬〜9月中旬

モンステラの剪定は、暖かくなって生長に勢いが付きはじめる5月中旬〜9月中旬ごろにしましょう。冬に茎を切ってしまうと、寒さによってストレスとなり、生長の勢いが悪くなることも。また、暑過ぎると枝の切り口から水分が過剰に抜けてしまい、枝枯れしてしまう場合もあります。

剪定のコツは節目の数ミリ上を切る

モンステラは、好みの高さとなる箇所で茎を切り詰め剪定をし、草丈を小さくさせます。

切る位置は、葉が出ている付け根の節目の数ミリ上を切りましょう。節目のすぐ上には、盛り上がった部分があり「気根」と呼ばれる根が伸びます。この気根を残すようにして切ることがポイントです。

ワンポイントアドバイス

切り詰め剪定とは?

切り詰め剪定は、伸び過ぎた枝葉を短くして、株全体のサイズを小さくするために行う剪定方法の1つです。長く伸びた1本の枝を、枝分かれした箇所で切り、残した方の短い枝に養分が流れるようにします。

切った茎は挿し木で増やすこともできる

剪定で出たモンステラの茎は、水を入れた容器に差しておくと数週間で根が出てきます。根が出たあとは、用土入れた鉢に移し替えて増やすことができます。

また、水に差している間は、3日に1回程度のペースで水取り替えをしてください。

植え替え・・・2〜3年に1回のペースで

無数の太い気根を地面まで長く伸ばして、全体的に大きくなるモンステラ。鉢植えで育てている場合は、2〜3年に1回のペースか、鉢底や土の表面から根が出ているときや、根がパンパンに伸びて土の表面が硬くなったときにも一回り大きい植木鉢に植え替えしましょう。

根詰まりを起こしていたり、与えた水がなかなか土に染み込まなかったりすると、水や栄養を十分に吸収できず枯れてしまうことがあります。

モンステラの適切な植え替え時期は5月中旬〜9月中旬

モンステラの鉢植えの植え替え時期は、生長期を迎えた5月中旬〜9月中旬ごろです。ただし、氷点下を下回るような極寒日は根が寒さに当たり、株が弱ってしまうので避けるようにしてください。

植え替えのコツは気根も整理すること

湿度が高い場所では、茎から無数に気根が伸びやすく、見た目が汚く見えることもあります。地面に根を下ろすと生長の流れに勢いが強くなり、元気な株にもなりますが、多いと管理が大変になってしまうこともあります。植え替えのときに、枯れた気根・不要な気根・見た目を悪くさせる気根は付け根から切り取って整理するといいです。

植え替えの手順

Step1. モンステラを鉢植えから出す

鉢の中に気根がたくさん詰まったモンステラは、鉢をひっくり返して底を叩いたりすると簡単に抜けます。もし根鉢が抜けない場合は無理に引っ張らず、ポットの側面を押して鉢と根鉢の間をほぐしてから慎重に抜くようにして、できるだけ根鉢を崩さず、やさしく扱いましょう。

根鉢を無理に引っ張ってしまうと、モンステラの気根が根元や根の途中で切れてしまうことも。見た目が悪くなったり、生長の流れが悪くなったりします。

Step2. 気根を整理する

切りばさみや剪定ばさみを使って、モンステラの伸び過ぎた気根を付け根まで切り戻します。茶色く枯れ切った根や腐っている根は、全て取り除いてきれいにしましょう。

Step3. モンステラを新しい鉢植えに植え替える

一回り大きい鉢の底に用土を薄く敷き、元肥を入れます。鉢の中心に根鉢を置いたら、モンステラの根鉢の高さを調整しながら、用土を足し入れましょう。水をたっぷりと与え、指先や手のひらを使って土の表面を軽く押します。株が倒れないように、周りの土を寄せて株を固定させます。

支柱を立てるのも良い

長く伸び過ぎると、鉢の安定感が悪くなりやすいモンステラ。植え替えをしたあとは、株が大きい場合は支柱を立てて茎を固定するといいです。

園芸用の支柱を使うのもいいですが、ポスタワーといわれるミズゴケを張り巡らした支柱を立てるのもおすすめです。ミズゴケを水で湿らしておくと、モンステラの気根が張りやすくなり、生長に勢いが付きやすくなります。

病害虫対策・・・風通しを良くする

比較的病害虫の被害にあいにくいモンステラですが、風通しが悪い場所で育てていると、菌やウイルスによって病気を起こしたり、ハダニやカイガラムシなどの害虫がつくこともあります。

風がなくて極端に乾燥する場所や、湿気がたまる場所では被害にあいやすいので、窓やドアを開けて空気の流れをつくりましょう。

病気

立枯病(たちかれびょう)

土の中で冬を越した菌が暖かくなると繁殖し、次第に植物の体に侵入して立枯病という病気を引き起こします。感染した植物は生長不良を起こし、葉が黄色く変色したし、しおれたりします。症状が進行すると、地面近くの茎が腐食し、株が枯れてしまうことも。症状が見られた場合はすぐに薬を散布しますが、進行し過ぎた場合は株と土を処分する必要があります。

害虫

ハダニ

1年を通して葉の表裏に発生しやすい吸汁性の害虫。風通しが悪くて乾燥した場所に発生し、葉の養分を吸汁します。放置をするとコロニーを形成し大量に繁殖し、落葉の原因になる場合も。定期的な葉水や剪定をしますが、大量に発生した場合は薬剤で対処するといいです。

カイガラムシ

1年を通して葉・枝・幹に発生しやすい吸汁性の害虫。成虫になると甲羅が硬質化し、薬が効きにくくなります。できるだけ薬の効く幼虫のうちから、薬剤散布を行うといいです。成虫は歯ブラシや軍手を使って擦るようにして補殺します。

モンステラのおすすめの飾り方

モンステラを室内に飾ってみたいけど、どうやっておしゃれな部屋になるようにコーディネートしたら良いか、わからないこともあると思います。せっかく購入し観葉植物だからこそ、適切な場所に置いて印象ある空間を演出したいものです。

ここでは、モンステラのおすすめの飾り方について3つ紹介します。

  • 床を見せるようにモンステラを浮かせる
  • 室内の色や素材に合わせて鉢カバーをモンステラにはかせる
  • 壁に沿ってモンステラを置く

床を見せるようにモンステラを浮かせる

すっきりとした印象のある部屋を演出したい場合は、部屋を開放的に見せるようにコーディネートすることが大事です。中型ほどの鉢植えで育てるモンステラは、できるだけ宙に浮かせて床を見せるようにしましょう。

目の錯覚によって実際よりも部屋が広く見えるようになり、散らかったような印象がなくなります。部屋を広く見せると圧迫感を感じにくくなり、開放的な空間にも仕上げられます。

また、モンステラは、目の高さよりも高い場所に置くことで天井を高く見せることも可能です。視線が上に向き、立体感のある空間も再現できます。

ただし、一列に並べて面になるように配置してしまうと「壁」になりやすく、圧迫感を強めてしまうので注意してください。

室内の色や素材に合わせて鉢カバーをモンステラにはかせる

3〜5色で配色されることが多いインテリアは、部屋や家具とリンクするように鉢カバーの色・素材も選んで、モンステラにはかせましょう。

例えば、ソファーやベッドのフレーム・脚がブラウン系の木目調の場合は、色にあわせて素焼き鉢、素材や質感にあわせてブラウン系の木製鉢を選びます。

ただし、葉が緑色の植物なので、グリーン系の鉢を選んでしまうとしつこく、重たい雰囲気に見える場合も。発色の強い色や、紫に近い色を選ぶなど色味の違うものを選択するのもおすすめです。

壁に沿ってモンステラを置く

すでに複数の家具が置いてあって、ものが多いと感じる場合は、テーブル以外のものを全て両サイドの壁に寄せて、スペースをつくります。そのとき、モンステラも壁に沿うように配置すると、空間をすっきりと見せられるかもしれません。

入口から奥の壁までは、導線が1本の線で真っ直ぐとなるようにゾーニング計画すると狭く見えず、洗濯などの作業もしやすくなります。

両サイドの壁に家具やモンステラを寄せられない場合は、コーナー部分を使ってものを配置しましょう。できるだけ角隅にものがまとまるようにレイアウトすると、広々とした開放的な空間になります。

モンステラの種類

モンステラが分類するモンステラ属には、現在約40種類以上のものが確認されています。また、ヒメモンステラと呼ばれているモンステラは、2010年にファミリーが枝分かれし、正確にはモンステラ属ではなくなりました。

しかし、一部の品種は見た目が非常に似ていて混同しやすく、日本には間違って輸入されているものも多いです。

モンステラ(ホウライショウ)属(Monstera)

モンステラ・ボルシギアナ(Monstera borsigiana)

主にメキシコに分布するモンステラ・ボルシギアナは、モンステラの中でもコンパクトでヒメモンステラのような雰囲気があります。また、大きくなっても草丈が1.2mほどにしかならず、生長スピードもゆっくりでとても育てやすいモンステラです。日本では、モンステラ・アダンソニーの名前で流通しているのが一般的ですが、正確には間違った名前といわれています。

モンステラ・ドゥビア(Monstera dubia)

中央アメリカから南アメリカに自生するモンステラ・ドュビア。ほかのモンステラと比べると、全体的にかなり小さくて薄く、つる植物と同じように床や壁を覆うように伸びます。スケッチで描かれたような面白い見た目をした、かわいいモンステラです。

モンステラ・スタンデリアーナ(ハネカズラ:Monstera standleyana)


画像引用:How To Grow And Care For The Monstera Standleyana

ハネカズラの別名をもつモンステラ・スタンデリアーナは、切れ込みや穴がない長細い葉を展開します。一見別の種類にも見えますが、立派なモンステラです。クリーム色の斑が入いった「バリエガータ」という品種も流通しています。

モンステラ・ピナティパルタ(Monstera pinnatipartita)


画像引用:Monstera Pinnatipartita Care: The Ultimate Guide (2023)

南アメリカに自生するモンステラ・ピナティパルタは、でこぼこした小さな葉に切れ込みが入る葉が特徴です。ポトスのようなサイズ感で、長く伸びると下に垂れたり、上に登ったりします。英語圏ではハリケーンプラントと呼ばれることもあります。

モンステラ・アダンソニー(Monstera adansonii)


画像引用:Monstera Adansonii Care: The Ultimate Guide – Overgrown Plant Co

しわのある小さな葉には、切れ込みがなく無数の穴が開いて伸びるモンステラ・アダンソニー。中央アメリカから南アメリカにかけて自生しているモンステラで、少し前まではモンステラ・フリードリヒスターリーの名前が付けられていました。

ラフィドフォラ属(Rhaphidophora)

ラフィドフォラ・テトラスペルマ(Rhaphidophora tetrasprma)

少し前までは、ヒメモンステラやモンステラ・ミニマの名前が付いていたラフィドフォラ・テトラスペルマ。現在は、モンステラ属には分類されていません。東南アジアに自生し、大きくなっても草丈は1.5mほどまでにしかならない小型の品種です。大きく切り込みが入った葉がキュートで、どのインテリアにもよくなじみます。

まとめ

生命力の強いモンステラは初心者でも育てやすくて、管理をしっかりと行えば、大きく生長させることもできます。根が出やすく新芽も良く出るので、増やすことも簡単です。そのため、剪定はばっさりと切ってしまっても、目が出なくなることはほとんどなく、枯らすといった失敗をしにくい観葉植物です。

また、豊富な種類もたくさんあり、インテリアのテイストにあわせて、好みのものを選ぶことができるので室内の観葉植物におすすめです。

モンステラ

花言葉 嬉しい便り、壮大な計画
初心者向き 初心者でも大変育てやすい植物です。
日当たり 半日陰の室内でも飼育可
耐暑性 強い
耐寒性 最低10℃程度
注意点 直射日光は葉焼けの原因になるため避ける。

モンステラに関するよくある質問

Q. モンステラの風水効果は?

気根をたくさん伸ばして大きく生長するモンステラは、よどんでしまった悪い気を吸収し、新鮮な良い気に浄化することができるといわれています。

汚れたものを洗い流す浴室やトイレなど、水回りは、きちんと掃除ができていないと悪い気がたまりやすい場所でもあります。モンステラを置けば、悪い気がたまりにくくなり、健康運も高めることができるといわれることも。

何か気分を変えたいときや、健康に優れないときは、モンステラ・デリシオーサを浴室やトイレに移動させて、運気を良くするといいかもしれません。

Q. モンステラの茎がひょろひょろになる、どうすればいい?

茎がひょろひょろと伸びる場合は、日光不足か土の状態の悪さが原因かもしれません。部屋が暗過ぎる場合は、少し明るい場所に移動させて様子を見ます。

土は触って硬い場合であれば、速やかに植え替えを行いましょう。

モンステラが怖いといわれる理由は何?

モンステラが怖いといわれる理由は、確かではありませんが、もしかしたら名前の「Monsteria=怪物」か、全草が毒だからかもしれません。

しかし、きちんと管理をし無闇に口にしなければ、特に害はないといえます。

小さなお子さんやペットを飼われている方は、モンステラが手に届かない場所に飾るようにしてください。

COLUMN

コラム